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November 27, 2013

豪ドルが弱い

豪ドルだけが弱い、と言った方が良いかもしれません。
主要通貨に対してスイスイ円安が進む中、豪ドル円ポジションを抱えた人にはイライラが募っているようです。

かねてより豪中央銀行(RBA)は、豪ドル価値の下方修正を狙って介入的な発言を繰り返しています。

26日朝にはRBAのフィリップ・ロウ副総裁が、「豪ドルはいずれ下落するとの見通しを示し、為替介入の可能性を肯定も否定もしないと強調した」と報道されています。

Audusd1000001224515452456623豪ドル/米ドルの長期チャートです。

RBAの考える理想ゾーンは、円キャリートレード前の「0.8」近辺と推測されます。

2003~06年、豪ドルは0.7~0.8のレンジで落ち着いており、トレードは平穏でした。
そもそも3年から4年、同じような水準で落ち着いている状況自体が、それ以降は見つかりません。

購買力平価から見ても、現在の0.9を越えた水準が依然として高すぎることは皆認めていますが、その原因としては、アメリカ(ドル)から短期金利が失われたことが大きいと思われます。

米国の金利が正常化するまで各通貨が負担を受け入れるのは仕方がなく、0.9を越える水準も我慢はするが、資源ブームが終わった今、再びパリティに近づくような動きは容認できない、といったあたりがRBAの本音に近いかと推測されます。

ヘッジファンドとしては、0.9を目標に売り崩し、上手くいったら買い戻し、再び0.95に近づいてきたら牽制発言を期待しつつ売りポジションを構築していく、といった気分ではないでしょうか。

ちなみに2000年から2002年くらいまでは、0.5という極めて低い水準でしたが、これは東西冷戦終結による平和の配当、ITバブルなどでアメリカが単独勝者となる機運が盛り上がった頃。

世界が多極化し、アメリカが相対的に弱体化するという構造変化がある以上、そこまで戻ることは考えにくい状況です。
リーマンショック時の最安値も、0.65まででした。

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