トルコ情勢の確認
そもそもの発端は、今月中旬にイスタンブール検察が3人の大臣の息子を含む52名を逮捕し、さらに4名の大臣の不逮捕特権を剥奪するようにトルコ国会に要請したこと。
逮捕された実業家はアゼルバイジャン系で、資金洗浄や違法な資金移動を隠すため、合計66ミリオンドル(70億円)もの賄賂をばらまいていたとされています。
エルドアン首相は、これを外国勢力の差し金と批判して、警察幹部を大粛正。
警察長官の他、イスタンブール警察署長など18名を罷免し、さらには警察の部長級14名を更迭。
イスタンブール検察は、さらなる容疑者30名の逮捕を命じたものの、大量に首をすげ替えられた警察幹部がこれに応じなくなったと批判の応酬。
権力構造が溶けていく中、勢いを得た若者達がデモを再開して警察と衝突。
トルコは再び、不穏な空気に包まれています。
エルドアン首相は国内でイスラム主義を押しつけようとして反発を招き、外交面ではエジプトの盟友ムルシーを失い、隣国シリア内戦でも主導権を握れず、国内での支持基盤に大きな陰りが生じているのは否定できません。
為替市場では、株式以上にトルコリラが対ドルで最安値を更新して暴落中です。
現在のトルコリラ/円は、48.7円近辺。
スワップは1週間で420円と表示されているので、計算上は4.5%程度。
円安のせいで、まだ昨年来安値までも下がっておらず、これだけの混乱の割りには、割安感に欠けて見えます。
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