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December 25, 2013

新興国VS先進国

5月にアメリカの緩和縮小が強く意識され、新興国の株式と通貨は、資金の引き揚げに見舞われました。
これからは先進国優位です、という証券会社のフレーズは、今や耳タコです。

今後市場が、FRBの利上げを織り込み始めれば、さらに新興国株価はドカ下げするという意見と、投資家は既に先進国>新興国をほぼ織り込んでしまったので、むしろ新興国投資のエントリーポイントに着目したいという見方があります。

新興国株価指数のETFである「EEM」と、米国株(S&P500)の5年比較です。
Eem金融危機で地獄に落ちた世界の株式は、2009年前半から反発に転じ、ゼロ金利となった先進国の投資マネーは、新興国に雪崩れ込みました。

グラフから見ると、はっきりと新興国優位だったのは、2011年半ばまでの約2年間です。

2011年後半からは米国株が持ち直し、新興国とアメリカがイーブンの状態が約1年。
2012年後半からは、はっきりアメリカ(先進国)>新興国となり、5月のバーナンキ発言で加速しました。

新興国通貨の代表として、南ア・ランドをグラフに加えてみます。
Eem2
ランドの対ドルレートが下がり始めたのは、2011年後半。

EEMが下がり始めたのと同時期で、新興国から先進国に資金シフトするなら、ここがポイントでした。

現在のランドの評価は、既に2009年の反発開始時期と同水準まで下がっています。

EEMとSP500の比率を(係数調整して)グラフにしてみました。
Eemsp500
新興国株価は、元々アメリカ株の6割水準だったのが、リーマン前のバブルで「1」まで上昇。
金融ショックで元の木阿弥になったものの、その後の金融緩和に乗って1.1まで回復し、また元の位置に戻ったと総括されます。

新興国は資源依存であり、資源は先進工業国の原価なので、資源価格の上下で「新興国/先進国」のバランスは循環する、と単純化するなら、ホットマネーの引き揚げはほぼ終わっている水準のようにも見えます。

仮に来年、新興国のドカ下げが来るなら、そこはクライマックスである可能性が高そうです。

投資家(市場)は先の先まで読む、というと格好良いですが、風向きが変われば出口に殺到するだけ、ということでしょう、多分。

<参考>EEMの国別投資比率
Eem_2

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