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December 08, 2013

エイケ・バチスタの転落物語

Data大成功から一瞬にして奈落の底へ、というストーリーなど聞き飽きていますが、ブラジルの大富豪だったエイケ・バチスタの大転落は半端ではありません。

1956年生まれのバチスタ。
父親はブラジルの鉱山大臣などを務めた名門の出身。
母親はドイツ人で、本人もドイツの大学で金属工学を学んで帰国。
ブラジルで金とダイヤモンドの商社を始め、1年半で6億円を稼ぎました。

それを元手にアマゾンで金鉱開発を行い、29歳の時にTVX社のCEOとなり、カナダ証券取引所に上場。
ブラジルとカナダで8つの金鉱、チリでは銀鉱山を手がけ、2000年当時、彼の会社の価値は200億ドル(2兆円)に膨張。

ポルトガル語、ドイツ語、英語、フランス語、スペイン語を話す彼は投資家の受けも良く、2011年のフォーブス誌の資産家ランキングでは、南米で1位、世界で7位。

躓きの元は、2008年のOGX社の上場。
この会社は、有望な油田探査計画を持ってはいたものの、実際に操業中の油田はないハイリスクなIPO。

しかしながら、原油価格の高騰や、その数カ月前にブラジル沿岸で大規模な油田が発見されたことなどを背景に、67億レアル(約2900億円)を調達。
そして2010年後半には、OGXの時価総額が750億レアル(約3兆3000億円)に到達。
これは現在の三菱商事の時価総額にも匹敵します。

しかしながらOGXは2012年6月に、最も有望と見られていたリオデジャネイロ沖のツバロン・アズール油田の生産見通しを下方修正。
さらには、この油田の生産を2014年で終了し、周辺のいくつかの油田も採算不良で開発中止を発表。

OgxOGXの株価は、つるべ落とし。

今年10月30日には破産申請。
更に11月に入って、同じバチスタ関連の造船会社OSX社も破綻。(「X」が好きな人です)

他に4社上場会社があるようですが、もはや信用は地に墜ちました。

甘い事業見通し、単独投資に拘ってリスク分散しない自信過剰、イエスマン経営など、様々な批判がされていますが、これらは事業や投資で失敗する人の共通点です。

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