米国長期金利はどこで落ち着くのか
「ギャップ」と表示したのは、「GDP成長率+インフレ率-長期金利」。
赤の棒グラフがプラス圏に出ているほど、長期金利が低すぎる可能性を示す、ということになります。
まず目立つのは2000年のITバブルの時期。
この頃インフレ率は3%を越え、GDP伸び率は4%以上ありましたが、長期金利は5%。
長期金利が低いというよりも、株のバブルで実体経済も悪酔いしていたのかもしれません。
2004~2005年も棒グラフが2%以上の長さ。
低い長期金利を、グリーンスパンは謎と呼びましたが、今では中国の為替介入(人民元売り→ドル債買い)や円キャリートレードの影響ではと言われています。
2009年は金融危機で経済が大ダメージを受けましたが、長期金利がマイナスになる訳では無いので、異常なマイナスギャップが生じています。
これではいけないと、FRBが金利を抑えにかかったため、2011~2012年には、最も大きな「金利低過ぎサイン」が出ています。
現在の3%は、GDP+2%、インフレ率+1%を織り込んでいるといった感じでしょうか。
ちなみに、IMFは2014年の米成長率を2.5%と予想しており、インフレ率を1.0~1.5%とするなら、来年の落ち着きどころは3.5~4.0%になります。
ただし、FRBの基本的な緩和姿勢は変わっていないので、上昇速度は穏やかなものになりそう、だから株はまだ買える、というのがコンセンサスかと思われます。
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