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December 29, 2013

米国長期金利はどこで落ち着くのか

Tnxアメリカの長期金利は節目の3%を越えてきましたが、2010年の3.8%を考えれば、まだ上昇余地はありそうです。

長期金利の決定要因は、「期待インフレ率、期待潜在成長率、リスクプレミアム」の3つとされていますが、ここでは単純に、GDP成長率とインフレ率の合計で決まるものと仮定します。

次のグラフは、1990年以降の米国長期金利(12月時点)の推移です。

Photo「ギャップ」と表示したのは、「GDP成長率+インフレ率-長期金利」。
赤の棒グラフがプラス圏に出ているほど、長期金利が低すぎる可能性を示す、ということになります。

まず目立つのは2000年のITバブルの時期。
この頃インフレ率は3%を越え、GDP伸び率は4%以上ありましたが、長期金利は5%。
長期金利が低いというよりも、株のバブルで実体経済も悪酔いしていたのかもしれません。

2004~2005年も棒グラフが2%以上の長さ。
低い長期金利を、グリーンスパンは謎と呼びましたが、今では中国の為替介入(人民元売り→ドル債買い)や円キャリートレードの影響ではと言われています。

2009年は金融危機で経済が大ダメージを受けましたが、長期金利がマイナスになる訳では無いので、異常なマイナスギャップが生じています。

これではいけないと、FRBが金利を抑えにかかったため、2011~2012年には、最も大きな「金利低過ぎサイン」が出ています。

現在の3%は、GDP+2%、インフレ率+1%を織り込んでいるといった感じでしょうか。

ちなみに、IMFは2014年の米成長率を2.5%と予想しており、インフレ率を1.0~1.5%とするなら、来年の落ち着きどころは3.5~4.0%になります。

ただし、FRBの基本的な緩和姿勢は変わっていないので、上昇速度は穏やかなものになりそう、だから株はまだ買える、というのがコンセンサスかと思われます。

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