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January 20, 2014

西武HDの再上場は成功するのか

西武HDが10年ぶりの上場を目指し、東証に上場申請したことが報道されています。(正確に言うと、かつては非上場の「コクド」に実質支配された西武鉄道の上場であり、今回は西武鉄道とプリンスホテルを傘下にした西武HDの上場ですので、相当の違いがあります)

有価証券報告書虚偽記載で上場廃止となった西武株に、2006年、1株920円評価で1040億円を投じたサーベラス。
2000円近い出口を望んでいると伝えられますが、2012年秋に西武側が試算した価格は、1200~1500円。
怒ったサーベラスは昨年、1400円でTOBを仕掛けましたが失敗。
双方が、どう折り合うのかが注目されていました。
(詳しい経緯はこちら

Photo西武HDの最新の四半期報告書(H25.11.14提出分)によると、直近H25年度上期(H25.4~H25.9)の売上高は2320億円。
純利益は134億円で、EPSは39円。

これは前年同期を大きく上回っており、鉄道事業やプリンスホテル、関連不動産業は好調のようです。

昨年度利益の上期下期バランスは概ね2:1なので、今年度想定年間EPSは39×1.5≒60円。

同業他社のPERは、東武鉄道、東急が17~18倍、小田急は30倍。

小田急の30倍は箱根プレミアムを考慮しても高すぎる感じはしますが、他にも京王電鉄が25倍、京急に至っては53倍という事例があり、単純な比較は困難です。

西武には、東武のスカイツリー、東急の渋谷再開発のような目玉は無いという意見もありますが、プリンスホテル敷地の含み益は注目されるでしょう。

東京都心のプリンスホテルの敷地の簿価(坪)は、以下のとおり。

・品川プリンス 780万円
・さくらタワー(高輪、新高輪含む) 340万円
・パークタワー東京 190万円 
・東京プリンス 160万円

これらを仮に坪2000万円で評価すると、含み益は1兆円強。
1株あたりでは、税引き後換算でも1800円程度になります。

今の不動産銘柄の高PER(三菱地所67倍、三井不動産46倍等)を見れば、含みと言えども一定程度反映されると考える方が自然です。

また、インバウンド需要の盛り上がりにも関わらず、現在の市場には流動性の高い観光銘柄が少ないので、投資家がホテル関連銘柄に飢えているだろう点も追い風です。
非鉄道事業の利益割合は、小田急も東急も大体4割ですが、西武は5割あります。

かつての西武鉄道は、コクドが34.8%、プリンスホテル、西武建設などが残りの株を保有。
プリンスホテルはコクドが60%、西武不動産が40%を保有。
西武不動産は西武鉄道が100%保有。(以上、『ミカドの肖像』より)

といった複雑な資本関係によって、コクドの40%を保有する個人オーナーの堤義明氏の支配構図が形成され、プリンスホテル関連の不動産も各社に分散されていましたが、現在は西武HDの下に鉄道とホテル会社がぶら下がるシンプルな構図に整理されました。

ちなみに有価証券虚偽記載発覚前の西武鉄道の株価は1100円前後。

それに加えて、その後の利益の累積、プリンスホテル完全傘下、観光日本+五輪効果など、複数のポジティブな要素が乗りました。

EPS60円ベースでも、小田急のPER30倍なら1800円。

今の地合いなら、サーベラスの希望に近い価格でも、投資家は付いてくるような気がしますが、果たしてどうでしょうか。

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