米雇用統計はまずまず
12月の米雇用統計は、非農業部門の就業者増加数が7万4千人と伸び悩んだものの、失業率は前月から0・3ポイント低下して6・7%。
極端にバラツキがある結果に、直後の相場は乱高下しましたが、結果的には株は変わらず、金利は低下、為替はドル安方向に動きました。
就業者増加数は遡及修正も多く、非常にぶれやすい傾向があるため、均(なら)して見るしかない数値ですが、グラフの5ヶ月移動平均曲線は腰折れしている訳ではありません。
そもそも月間20万人は過大な期待であり、平均で15万人を維持しつつ、失業率が緩やかに改善していれば十分、と考えるなら、まあ想定の範囲。
今回、11月の就業者増加数が24.1万人に上方修正されたので、直近2ヶ月平均なら15万人クリアです。
失業率に関しては、労働参加率が0.2%下がっているので職探しを諦めた人が多く実態は良くない、とコメントするのがお約束となっていますが、職探しを諦めることが出来るのは余裕の証し。
ちなみに左グラフは、2001年以降の労働参加率ですが、2008年以降は右肩下がり。
景気の良し悪しというよりは、ベビーブーマーのリタイアという人口動態変化を反映したものと考えるのが妥当であるように思われます。
リタイア年齢に達しても、本当に困っていたら働くでしょうから、一定の資産形成が出来ているものと考えられます。
結局DOWは▲7$と、ほぼ横這いでしたので、株式市場はこの結果をマズマズと解釈したと言っても良いと思われます。
ドル円は1円ほど売られましたが、ピッタリ25日移動平均線上に着地。
債券市場も為替市場も、年初から「テーパリングの加速」という噂に脅えていましたが、やっと我れに返り、先走った分が調整されただけにも見えます。
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