世界は「ビットゴールド」を求めている
直近では新興国不安が落ち着きを見せて金利が上昇しているので、足下の金価格は下がるのが普通です。
しかしながら、左のグラフように、米国長期金利(TNX)と金価格(GLD)のチャートは、今月になって順相関する異例の展開(?)を見せています。
最近のビットコインの信頼低下によって金が見直されているとの見方もあります。
世界有数の取引所であるマウント・ゴックスのサイトでは、2月7日の引き出し停止のリリースの後、公式フォローが見当たりません。
また、ブルガリアの「BTC−E」とスロベニアの「ビットスタンプ」の両取引所が、サイバー攻撃を受けているとの報道もされています。
ビットコイン価格の急騰が顕わにしたのは、無国籍な電子通貨への旺盛な需要と、犯罪に使われやすいダークサイド。
ロシアとインドネシアはビットコインの取引を違法とし、中国では人民元との交換が禁止。
権力の分散を嫌う国ほど、ビットコインを目の敵にしています。
またNY州でも、取扱業者の登録制などの規制が検討されるなど、ビットコインへの一方的な強気論は後退しています。
もしビットコインのダークサイドを通貨当局が問題視するなら、各国政府・中央銀行が認める公式電子決済通貨を作り、担保は金にすれば良いではないか、というアイデアが出てくるのは自然な成り行きです。
いわば「ビットゴールド」待望論。
FRB、ECB、日銀等が共同で金を提供して国際管理機構を作り、少額で電子決済する仕組みを普及させれば、犯罪性の高い匿名性を排除しつつ、電子決済ニーズを取り込むことが可能に思われます。
まあ、そうした国際協力が実現しそうに無いからこそ、ここまでビットコインがブームになるのでしょうが、ビットコインが犯罪に使われれば使われるほど、あるいは禁止する国が増えれば増えるほど、こうした思惑だけで金が買われても、マンザラ荒唐無稽な話とも思いません。
とりあえずは金ETFを少額で電子決済する仕組みだけでも機能するので、例えばグーグルが本気になれば、現行法の枠組みの中でも可能な方法を見つけるかもしれません。
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