「活字離れ」の実態
昨日公表された全国大学生協連(東京)の「学生生活実態調査」によれば、大学生の40・5%が読書にあてる時間をゼロと回答。調査を始めた平成16年以来、初めて4割を超えました。
また、昨年秋に公表された「第59回学校読書調査」によれば、1か月間で1冊も本を読まなかった子どもの割合を示す「不読率」は、小学生が5.3%(前年比+0.8ポイント)、中学生が16.9%(前年比+0.5ポイント)、高校生が45.0%(前年比-8.2ポイント)。
まとめると、「読書しない率」は、
小学生が5%、中学生17%、高校生45%、大学生40%。
大人になるに連れて様々な誘惑に負け(?)、ほぼ二人に一人は本を全く読まなくなってしまう、という感じでしょうか。
先週23日に放送されたNHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ 今 読者はどこに? 2014編集者の挑戦」に、次のグラフがありました。
番組の中でも言及されていましたが、書籍販売額の減少は比較的少なく、むしろ1980年と比べれば増えています。
一方で雑誌の販売額は大幅減少トレンド。
ピークの1996年と比べると、今は3分の2ですが、こちらも1980年よりは増加。
時期から考えて、雑誌の販売減がネットの影響によるものであることは、ほぼ間違いのないところです。
元々雑誌に活字は少なく、Webで見るのと大差ない写真や文章であれば、確かに不要です。
「出版不況」とは90年代の雑誌バブルが崩壊しただけのこと、と見るのが正しいのかもしれません。
書籍に関して言えば、「全然読まない率」が高くなる一方、売上はそれなりに維持されているのですから、読む人は読んでいるということになり、ここでも二極化が進んでいるものと推測されます。
小学生の頃は、頭の中は白紙ですし、学校の図書館も利用し、皆ある程度は読む。
中学生になると、ゲームやスマホなどに熱中する層が、読書から「脱落」。
高校・大学と個人のライフスタイルが確立していくにつれて、タダで拾える情報だけで十分と考える者と、それでは飽き足りない層に、はっきり分離していっているように感じられます。
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