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March 31, 2014

米国市場で割安を探す

NY市場は高値警戒感から上値を追いにくくなっており、高いものを売って出遅れに乗り換えるような動きが主流になっているように見えます。
NASDAQ(PER23倍)がDOW(PER16倍)よりも調整が大きいのも、その流れで捉えるなら自然に思えます。

バロンズの3/17号が、PERとPBRから見た割安銘柄を記事にしています。
その内、PERから見た割安候補は以下の15銘柄ですので、ざっと眺めてみたいと思います。(2週間程度のタイムラグがあるので、現在の株価にはご注意ください)

Pervalue_2

◇エンスコ(ESV)、トランスオーシャン(RIG)、ノーブル(NE)

この3社は沖合掘削請負会社で、海洋石油掘削リグを保有して貸し出す事業をしていますが、供給過剰からリース料の低下が懸念されているようです。

一方でこの3社、いずれも配当利回りは高いのが特徴。
最も時価総額が大きいRIGが、5.5%。
配当性向が58%と高くなっているので、かなり危なっかしい財務体質かと心配もされますが、自己資本比率は51%と比較的健全です。

エンスコは、配当利回り5.9%、配当性向50%、自己資本比率65%。
同じくノーブルは、それぞれ4.7%、50%、51%と、大体似ています。

2010年、メキシコ湾でBPが大きな原油流出事故を起こし、三井物産の子会社にも負担が生じましたが、その時現場を管理していたのがトランスオーシャンです。

油田掘削はリスクが大きいので一定のディスカウントは当然でしょうが、指標的には魅力的ですし、リスクが大きいだけに財務には気を使っているのかもしれません。

◇ヒューレットパッカード(HPQ)

昨年12$台まで売り叩かれた後、現在は31$と株価的には劇的に復活しました。
従業員30万人以上の巨大会社であり、今も数万人単位のリストラを実施中のようです。

かつてのCEO、カーリー・フィオリーナの自伝を読んだことがありますが、彼女は反対を押し切ってコンパックを買収し、社内に軋轢を生みました。
その後も、経営の安定性には恵まれない印象があります。

私の会社のPCは、依然HPが多かったのですが、最近はレノボに代わりました。
まとまった単位で見積もりを取ると、そういうことになるのでしょう。

◇バレロ・エナジー(VLO)、テソロ(TSO)、マラソンオイル(MPC)

バレロ・エナジー(VLO)はテキサスに本社を置く独立系の石油精製・販売会社。
配当利回りは1.8%程度と高くはありませんが、業績は安定しており、株価は中長期的に堅調のようです。

テソロ(TSO)は、テキサスにある独立系石油精製業者。
バレロと比較すると、似たり寄ったりの評価といったところでしょうか。

マラソンオイル(MPC)はオハイオ州の石油、天然ガスの会社。
一時はUSスティールの子会社でしたが、スピンアウトし、今はいわゆるマイナー・メジャースの一角。
丸紅と共同でシェールガス開発をしていることが、日本では良く報道されます。

一般に資源系は低PERであり、スーパーメジャーのエクソンが13倍、シェブロンが11倍程度。
これらと比較して割安すぎることになるのか、小さいから当然ディスカウントが入ると市場は考えているのか。

◇マイクロンテクノロジー(MU)

半導体製造会社であり、最近では破綻したエルピーダメモリーを救済して完全子会社としました。

株価はこの1年で、10$から22$と急回復していますが、何しろメモリー業界は浮き沈みが激しいのが常で、少し余ると台湾系が怒濤の安売りを始めたりして、とにかく大変な業界というイメージがあります。
私は自作PC派のため、たまにDRAMを購入しますが、価格の変動幅には驚きます。

機敏な売買が必要になる可能性も高く、業界動向に詳しい方向けの銘柄かもしれません。

◇グッドイヤー(GT)

誰もが知る自動車タイヤの会社。

世界の自動車タイヤのシェアは、ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーが三強で、この三社で大体40%を占めています。

3社のシェアは10年前には50%以上あったので、現在は何れもシェアを減らしている訳ですが、中でも最も大きく衰退しているのがグッドイヤー。
17%→10%と、ざっくり半減イメージです。

ちなみにブリヂストンのPERは今期予想ベースだと10倍前後、住友ゴムは8倍程度。

ブリジストンは1988年にファイヤストーンを買収して世界首位になっていきましたが、グッドイヤーは住友ゴムと提携関係にありました。

そもそもは1999年、グッドイヤーが斜陽(?)の住友ゴムに出資。
現在、「ダンロップ」「グッドイヤー」ブランドのタイヤ事業について、日本では住友ゴム75%、グッドイヤー25%出資の合弁会社、米欧ではグッドイヤー 75%、住友ゴム25%の合弁会社を展開していますが、今年になって正式に提携解消が発表されています。

これを機に、新たな提携や再編が起こり得るのでしょうか。

◇メットライフ(MET)、プルデンシャル(PRU)、リンカーンナショナル(LNX)

METは、米国最大手の生命保険会社で、正式名称はメトロポリタンライフ生命保険会社。
名前のとおり、NYが発祥の地です。

日本では、アリコがメットライフ傘下になったこともあり、メットライフアリコ生命保険として展開しています。

生保のPERが、どのくらいが適切なのか。
ちなみに日本の第一生命は約18倍ですが、参考になるとは思えません。

そもそも本来は互助的な団体として出発した保険会社が株式会社になじむのかどうか、特に日本人には違和感が強いかもしれません。

プルデンシャル(PRU)も生保中心の金融グループで、似たようなPER水準。
リンカーンナショナル(LNX)も、中堅の生保会社です。

◇GM

再生したGM。
ちなみにフォードがPER9倍、クライスラーは非上場。

女性の新CEO、リコール隠し問題と話題は豊富ですが、トヨタに対する12億ドルの罰金という厳しい姿勢を考えれば、この先どうなんでしょうか。
配当利回りはヤフーUSA上で、3.5%と表示されています。

◇ゼロックス(XRX)

会社でお世話になっていない人はまずいないでしょうが、今から大きく成長するとは想像しにくい会社。

直近3年間の売上利益は、ほぼ横ばい。
配当利回りは2.3%。

成熟安定産業なら、もう少し利回りが欲しいのではないでしょうか。

◇JPモルガン

2013年実績ではPER13倍台と特に割安ではありませんが、2013年4.35$から2014年は6$に伸びると予想されているEPSの実現性次第でしょうか。
配当利回りは2.5%と、まあまあです。

あまりにジェイミー・ダイモンの個性が際立つので、好き嫌いが分かれる銘柄かもしれません。

金融危機を軽傷で乗り切った名声も、その後「ロンドンの鯨」「電力市場不正取引」「サブプライム商品不正販売」など、次々と脇の甘さが発覚し、支払った罰金は1兆4000億円あまり。
2008年時点の側近14人の内、11人が将来を見限って辞めたとの報道もあります。

ちなみに保守的な経営で知られるバフェット好みのウェルズ・ファーゴ(WFC)は、実績PER13倍、今期予想ベースで12倍前後、配当利回り2.4%です。

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