プーチンのシナリオの検証
プーチンはウクライナにおける政変について、「憲法に反するクーデターが起きた」と批判しています。
「ウクライナ憲法」の105条と111条を見ると、プーチンの言うとおり、今回の大統領罷免手続きは違憲の疑いが濃厚です。
金のないウクライナは贅沢が言えません。
ロシアからガスを安く貰うのは良くて、金銭支援が駄目というなら、議会で堂々と(前)大統領を追及すべきでした。
プーチンは、ウクライナ軍基地を包囲しているのは「地元の自警団」だとも言っています。
流石にこれは詭弁に感じられますが、前大統領およびクリミア自治共和国からの「依頼」を受け、記章を外したロシア軍が「援助」しているという見方もギリギリ可能な演出になっています。
ウクライナとの国境付近の軍事演習を早期に撤収したのは、ルーブルとロシア株の下落が大きかったのでしょう。
市場と真っ向から衝突しても仕方が無い、と見切りが早いのも合理的です。
日本のメディアは、欧州とロシアがウクライナを取り合っているかのように報道しますが、2004年のオレンジ革命以来、内輪揉めばかりで経済力が向上しないウクライナは正直お荷物。
EUは天然ガスが無事通過すれば良いし、ロシアは小麦とコーンが入ってきて、NATOに加盟しなければ良い。
今のウクライナを分離させずに統治するには微妙なバランス感覚が必要ですが、新政権は経験未熟で頼りないのが現実。
ウクライナは自分を高く売りつけようと東西を秤にかけ、ロシアとEUは余計なコストが発生しないように微妙な大人の駆け引きをしていたところ、アメリカは大した権益も無いのに、「fuck EU」で有名になったヌランド(欧州・ユーラシア担当米国務省国務次官補)らが過激な民族主義を刺激して掻き回し、自分では収拾出来なくなってキャンキャン騒いでいるといった構図にも見えます。
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