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April 24, 2014

米エアリオ社は最高裁でも勝訴するか

Aereo米最高裁で注目すべき裁判の審理が開始されました。

被告は2012年設立の新興ネット企業エアリオ(Aereo)社。

エアリオのサービスは月8$。
約30社の地上放送番組がDVR(デジタルストレージ)サービス付きでネット配信されるというもので、NYなど11都市で展開しています。

ABCやCBSなど4大ネットワークをはじめ、アメリカのテレビ各社は「エアリオの行為は著作権の侵害に当たる」として配信事業の差し止めを求めて裁判を起こしましたが、1審、2審で敗訴し、連邦最高裁判所に上告したものです。

しかし、そもそも無料の地上波放送を見るのに、なぜ8$も払うのか。

アメリカの場合、無料放送も含めて、ケーブルテレビ経由で視聴するのが一般的です。

例えば、ニューヨークで地域CATV会社のケーブルビジョン社と契約すると、バリューパック(地上波ネットワーク+ ケーブルチャンネル70くらい)で月$40$、加えてケーブル・セットトップボックスとリモコンで月7$。
日本のスカパーと似たような料金体系です。

こうして多くの人は、無料地上波放送を再送信されたCATV経由で視聴していますが、CATVは放送局に対して著作権利用料を払っており、これがCATV視聴料を高額にしています。

アメリカ映画を見ていると、CATV会社が料金を払えない貧困層の契約を情け容赦なく打ち切る場面がありますが、こうなると無料の地上放送さえ見られなくなってしまうので切実です。

「たった8$」で、スマホでもタブレットでも見ることが出来、CMスキッピング(DVR)も可能なのは十分リーズナブルだからニーズがある、ということのようです。

放送局側としては、再送信料を払ってくれるCATV業者に替わってエアリオ社が台頭するのは大問題。

法的な争点は、エアリオのサービスが、米放送法が禁じているパブリックパフォーマンス(公衆向けの放送配信行為)にあたり、著作権侵害となるかどうか。

エアリオ社は、この点に配慮し、顧客ごとにミニアンテナを設置して、1対1の配信関係、即ちプライベートパフォーマンスであると主張しています。

顧客がアンテナを立てて「本来の」無料視聴をする手助けをして手数料をもらっているだけ、とも言えそうです。

視聴者側に立ってみると、そもそも無料のはずなのに事実上有料化してしまい、シングル盤(地上波)だけ買いたいのにCDを買わされる状態とも言われています。
1審、2審でエアリオが勝訴したのには、多分こうした背景もあるのでしょう。

「結局は、既存放送局とCATVが結託して殿様商売をしているだけではないか」

著作権だ何だと小難しい法的論争の前に、そんな素朴なユーザー感情がエアリオに味方しそうな気がします。

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