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May 21, 2014

「30分でわかる経済のしくみ」

10兆以上を運用すると言われるヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者レイ・ダリオ氏。
個人資産も1兆円あるらしいですが、その彼が制作したという「30分でわかる経済のしくみ」(http://youtu.be/NRUiD94aBwI)を見ました。

この動画は、クレジット(信用)の発生と、その増加・減少によって景気サイクルが作られるという考え方が基本となっています。

・取引(買い物)をする時は、現金とクレジット(ツケや借金)の組み合わせで行う。
・クレジットで生産を増やせば返済する現金が生まれるが、消費するだけなら誰かの収入になるだけ。
・クレジットは未来の自分からの借金なので、いずれは支出を減らして現金で返済しなければならない。それは誰かの収入が減ることを意味する。
・返済する現金は、生産性の向上による収入からしか生まれない。誰かが借り入れてした支出(誰かの収入)は、マクロで見れば返済に使えない。
・従って、生産性の向上を上回るようなクレジットの増加は維持できなくなり、いずれレバレッジの縮小が起こる。
・つまり、生産性の向上をどれだけ上回って所得(支出)が伸びているか、所得と借り入れの比率(DEBT BURDEN)について注意してみれば、景気のサイクルが概ね判断できる。
・この膨張と縮小のサイクルには、短期と長期があり、長期の場合には回復に10年かかる。

概要は、こんな感じでしょうか。

最後のまとめは3点。

・所得の伸びより早く債務を増やすな
・生産性の伸びよりも早く所得(支出)を増やすな
・生産性向上の努力を惜しむな

彼自身は、かなりユニークな視点と思っているようですが、結局は「自分の稼ぎをきちんと意識し、借り過ぎに注意しろ」という当たり前の結論になります。
もしそう言うと、「その当たり前を数値化してルールを守っている国が、どこにあるんだよ」と返って来そうです。

ちなみに単純に日本に置き換えてみると、公的債務がGDPの2倍で金利が今は0.6%なので、年間1.2%の成長でギリギリのバランスということになりそうですが、過去5年の平均成長率は、0.3%程度です。(円ベース、実質)

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