アメリカの第三言語
では、「英語とスペイン語を除くと何語が一番話されているのか」を、州別に示したのが左図(出典)です。
マサチューセッツとロードアイランド州ではポルトガル語。
考えてみれば一番近いヨーロッパ。
ロジャーズはロドリゲス、オリバーはオリベイラというポルトガル姓が変化したもののようです。
イリノイ州ではポーランド語。
シカゴにはワルシャワの人口よりも大きなポーランド人タウン(200万人)があり、運転免許もポーランド語で取得できるとか。
ミシガン州では何と、アラビア語。
ミシガン州ディアボーン市はフォードの本社所在地。
工場で働くためにやって来たアラブ系住民とその子孫が3万人と、市の人口の3分の1。
大泉(群馬県)に行くと、ポルトガル語が通じる(?)ようなものですね。
テキサス州やワシントン州など4州では、ベトナム語。
全米最大のリトルサイゴンは、カリフォルニアを除くとヒューストンだそうです。
テキサスにはエネルギー関係の仕事が多いので、カリフォルニアで上手く仕事が見つからないと、ここまで流れてくるということでしょうか。
バージニア州とジョージア州は韓国語。
バージニア州では今年4月、公立学校の教科書に「日本海」と「東海」を併記する法律が成立しました。
33人が殺された全米最悪のバージニア工科大学銃乱射事件の犯人は、在米韓国人でした。
オレゴン州はロシア語。
アメリカの西端とロシアの東端は、100kmも離れていません。
ハワイやカリフォルニアではフィリピンのタガログ語。
第5代ハワイ州知事(1994年1~2002年)のベン・カエタノはフィリピン系です。
そして世界の中心、ニューヨーク州は中国語。
全米で中国語を話す人の数は約300万人と、数では第三位。
100人に一人は中国語スピーカーになりました。
面積で見ると、何と言ってもドイツ語圏の広がりが目立ちます。
1924年の割り当て(QUOTA)移民制度で、イギリスの次に多かったのがドイツ人。
中西部のプロテスタント的な勤勉さは、ドイツ精神を受け継いでいるからだとも言われています。
第一次世界大戦の頃までは、ドイツ語を話す人口が英語の次に多かったということなので、この100年でアメリカはゲルマン色からラテン色へ変わって来たと言えそうです。
次の100年は、日本を除くアジア色に染まっていくのでしょうか。
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