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June 17, 2014

書評「林原家」

51doown2yxl_sl500_aa300_「林原家 同族経営への警鐘」は、経営破綻した林原グループの元社長による反省本です。

広島に勤務していたバブルの頃、「岡山と言えば、天満屋と林原だよ」と良く聞かされたものです。

両社とも非上場ですが、特に林原はバイオ企業でありながら駅前に5万㎡もの土地を所有し、人がその名を口にする時、一種神格化されたような憧れが感じられました。

実は当時の社長も、自らを神格化し、実態を直視していなかったことが読んでみて分かりました。

主要登場人物は、いずれもバランス感覚に欠けています。

研究だけで一切経営にタッチしない社長。
最後に私財を投入しますが、元々公私混同でした。

財務を含め、経営一切を任された弟。
意欲はあるものの、本質を見る勇気は無く、社長である兄にも銀行にも嘘の報告。
弥縫に追われて破綻を招きました。

銀行団も典型的な無責任融資。
内情を調べもせずに融資し、粉飾を知ると一転して保身に終始。

結局のところ、会社更生法下で93%も債務弁済できたのですから、いかに余裕があったのかが窺い知れます。

本丸の研究機関は従業員ごと長瀬産業が傘下に収め、駐車場だった駅前不動産も今秋にイオンモールが開業。

何のことはない、世間知らずの兄弟や含み益に群がる質の低い人々の元を離れ、人も物も正常に管理されるに至ったドタバタ劇。

本書から、「出鱈目をやったら駄目だ」以上の教訓を読み取るのは困難です。

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