インフレの足音
CRB指数における石油のウェイトは約23%。
イラク情勢は、スンニ派過激組織ISIS、シーア派のマリキ・イラク政権、クルド人自治区の3つが、それぞれサウジ、イラン、トルコを後ろ盾にする複雑な様相となっており、事実上の分割状態による危うい均衡が長期化しそうな気配です。
アメリカ国内では、シェールガス(オイル)があるとはいえ、レジャーシーズン到来による需要増もあって、ガソリン価格はじわりと前年比3%アップ。
更には中西部を中心に毎日のようにトルネードが発生し、カリフォルニアはほぼ全域が干ばつ状態。
荒っぽい気象が食品価格の上昇に拍車をかけるのではないかと懸念されています。
WSJは、10年物米国債の名目債と物価連動債(TIPS)の利回り差から計算する予想インフレ率は現在2.28%だと報道しており、これはFRBのインフレ目標値2%を越えています。
特に日本は中東原油への依存率が高く、石油価格が上がれば物価に転嫁され、長期金利上昇の圧力となります。
金利上昇に極めて脆弱な国が、「デフレという平和」を自ら壊したことの功罪が、今後真剣に問われることになるかもしれません。
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