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September 17, 2014

いよいよ秒読み、スコットランドの住民投票

FOMC→スコットランド→アリババと、なぜかイベント集中の週後半ですが、やはり気になるのはスコットランド。

最近になって日本語での関連記事が増え、独立支持が増えた理由に関し、民族自立気運というよりも、いまだにサッチャリズムの影響が残る金融中心主義への対抗心が大きなドライバーとなっているとの解説が増えてきました。

独立派の中心にいるSNPこと「Scottish National Party」の訳が、国民党なのか民族党なのかはともかく、主張は左派です。

代表のアレックス・サモンド(59歳)は、エジンバラ近郊のリンリスゴーの生まれ。

地元の高校卒業後は、セント・アンドリュース(スコットランド)の大学で経済と中世史を学び、卒業後はスコットランドの農水部門の公務員として2年ほど働き、その後ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドで7年間、主に石油関連のエコノミストとして働いています。

当然、北海油田には詳しいのでしょうし、経済実態にも理解が深いはず。
1983年に彼が作った"Royal Bank/BBC oil index"は、今も使われているとのことです。

14日に行われたスウェーデン総選挙では、野党の社会民主労働党など左派連合が最大勢力となり、政権交代して、再び福祉重視の政策に転換することになりそうです。
近隣国で、こうした社会民主主義的傾向への揺り戻しが起こっているのも追い風かもしれません。

一般論として、北の地域では互助精神が強くなります。

北海道では、冬期に故障した車を見かければ、必ず助けます。(と、信じます)
見捨てれば、高い確率で死ぬからです。

自然の厳しさの前では、誰もが助け合うという掟。
社会共同体的な意識は、北の地方になるほど強いはず。

無論、互助にも金は必要で、口当たりの良い主張は財政の裏付けがあって成り立つものに決まっていますが、まずは理念を選択しよう、というのは心を打つ部分があることも確か。

今回、英国籍のスコットランド住民に投票権があり、逆に域外・海外在住のスコットランド人には投票権がないのも、民族の問題では無く、「共にここに住む者としての心意気を問うのだ」というアピールの巧みさを感じます。

次第に同情的になってしまいましたが、出来れば混乱は避け、現状の政治システムの中で、スコットランド住民としての「心意気」を示してもらえればと思います。

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