20年の強い連動、米金利と日本株
今日の日経記事、「20年の強い連動、米金利と日本株の3つの謎 」。
まあ謎というのは大げさですが、着眼点は日頃私が考えていることと共通点があって興味深く読みました。
第一の謎は「米長期金利はなぜ米株より日本株との連動性が強いか」。
これは記事にもあるように、高金利がドル高・円安を呼んで日本株を牽引するからと考えて、まず異論無いところです。
しかしながら、現在の日本は構造的な貿易赤字基調となっているため、このままでは円安との連動性は薄れていくだろうと予想します。
第二は、「米長期金利は今年に入り、景気が緩やかに上向いているにもかかわらず、なぜだらだらと下がり続けているのか」。
テクニカルな要因としては、金利は当然上がるという予測から、昨年来、債券のショートポジションが積み上がりすぎた、という点が指摘されますが、より本質的には潜在成長率の低下が意識されている、ということだと思います。
第三は、「年央以降、米金利がジリ安となる中、過去の連動と異なって日米の株価が上昇基調にあるのはなぜか」。
景気回復が言われながらも、債券と株が同時に上がる現象が続いていることから、「業績相場と金融相場が同時に存在している」という解説も肯けます。
即ち、投資家はあるべき金利よりも低いから株を買える、と思っていることになるのですが、ではあるべき金利はどのくらいなのか。
記事中の左グラフを見ると、名目成長率と10年金利は概ね一致していますが、直近では差が開いています。
4%近い今の名目成長率予想が正しいなら長期金利は安すぎるとも言えますが、この先も同程度の成長が続くのかというと、かなり疑問を持つ人が多いのでは。
ドラギ総裁は、ECBのバランスシートを7000億ユーロ増やすよう「強く促す」と発言しています。
この100兆円近い流動性は、相当部分が米国市場に投資されることが予想され、ドル高がインフレを抑制すると共に、米国債購入が引き続き低金利をもたらす可能性が大。
何しろ、マイナス金利のドイツ短期債から見れば、2.5%の米10年債は光り輝き、仮に3%ともなれば目も眩むような神々しさ(?)らしいのです。
私自身も、3%に戻るなら債券ETFを増やそうと思っているくらいなので、当面の米国長期金利の戻り目標は3%という見立てに賛同します。
こうして米長期金利の上昇が抑制されるという前提で考えるなら、金利差がドル高円安を牽引する力も一部で言われるほど強くはならず、110円への道程は相当長いものになるように思われます。
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Comments
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Posted by: national removals | June 17, 2015 12:15 AM