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September 15, 2014

1億人が漂流する ~中国・都市大改造の波紋~

9月13日に放送されたNHK-BSドキュメンタリー「1億人が漂流する ~中国・都市大改造の波紋~」は、中国で格差社会是正の切り札として繰り出された「都市大改造」を取り上げています。

農村から都市にやって来た「農民工」は、約1億人。
その多くは「城中村」と呼ばれる、非合法建築の安アパートに住んでいます。

「スラム街」にも見える城中村を再開発し、希望する農民工には都市居住証を発行して、将来的には、都市戸籍と農村戸籍の一体化を目指す。

中国共産党が「城鎮化」と呼ぶ、この都市化政策は、「農民工市民化」とも呼ばれ、農民の都市定住を促し、格差を是正し、人口集中による消費主導型経済への転換を目指す、一気に三得(?)の重要政策と位置づけられ、李克強は「人にやさしい政策だ」と理解を求めています。

現場で行われているのは、急速な強制退去。
移転先の斡旋も補償も一切無く、通告後1週間で電気も水道も止まるため、近隣の賃料は高騰。

居住証を取得すれば将来の子供の教育や社会保障の権利が得られますが、負担も始まります。
支払う余裕の無い農民工は、住む場所を追われて彷徨い、ホームレスも増加しています。

一部の学者達は、この政策が更なる社会不安をもたらす可能性を論じて不安視しています。

これまで中国の発展を陰で支えてきた農民工は、まるで不法移民のような扱いを受けてきました。

安い労働力として、工場や建設現場などで重宝されてきたものの、都市での権利は保護されず、子供の教育も医療も割高。

これを解決するには、農民工を都市住民へと融合させていく必要があるという考え方が政策の背景にありますが、移転して都市居住を続けるには、ある程度の蓄えか高収入が必要。

それがない人の選択肢は、田舎に帰って食えない農民になるか、ホームレス状態で都市で生き続けていくか、家族がバラバラになって生きる道を探すか。

余裕の無い多くの農民工にとっては、またまたコストは自分たちだけに押しつけられて成果は政府が持って行く、と映っているようです。

17日(水)に再放送があります。

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