日本の不動産投資は少ない
JLL(ジョーンズ・ラング・ラサール)は今日、2014年第3四半期の 世界の不動産投資額(速報)を公表しました。
世界全体では、直近四半期が前年同期比13%増の1,650億ドル(約17兆6000億円)、1-9月累計では前年同期比23%増の4,630億ドル(約50兆円)と好調に推移しています。
グラフを見ると、リーマンショック前の2007年の水準近くまで戻っており、ある意味ではバブル的なヒートアップを心配した方が良い水準なのかもしれません。
地域別に見ると、アジア太平洋地域は、良い時も悪い時もそこそこ。
EMEA(欧州、中東、アフリカ)も、リーマン前の8割くらいに戻し。
09年の前半、ほぼゼロに等しいレベルに落ち込んだアメリカは、急速に回復して、ほぼ元通りの感じです。
次は日本のグラフです。
2014年第3四半期の投資額は、前年同期比7%減の81億ドル(円建てでは2%減の8,400億円)。
1月-9月累計では、前年同期比3%減の286億ドル(円建てでは4%増の2兆9,470億円)。
ドルベースでは、前期比マイナス。
為替の影響を除外しても、世界が+23%に対して日本は+4%と、ずいぶん見劣りします。
移動平均値である折れ線グラフを見ると、リーマンショック前の6割水準といったところでしょうか。
J-REITによる取引など結構活発な印象がありましたが、他はもっと元気な様子。
海外勢が本格的に戻っている雰囲気がないのが、影響しているように思われます。
かつてのように、短期転売の繰り返しや地方の不動産漁り、挙げ句の果てにJ-REITが破綻などという過剰なヒートアップは歓迎されませんが、数字を素直に読めば、要は不人気。
日本の不動産には、安定はあっても成長が描きにくい。
低金利でスプレッドが大きいので、一旦持つと所有者が手放さない。(売ると買い換え資産が見つけにくいので、レンダーも売却に消極的)
などの特性も、流通量の拡大という意味ではマイナスに影響しているかもしれません。
まあ、日本らしいといえば、いかにも日本らしい状況に感じられます。
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