ロシアルーブルが新安値
ロシアの通貨ルーブルの対ドルレートは、今週1ドル=40ルーブル台をつけ、史上最安値を更新しました。
1ルーブルが2.7円。
だからといって、今なら格別お得に旅行が出来るというほどでもなく、ビッグマックが90ルーブルで240円。
ちょっとしたレストランで食事をすれば1000ルーブル(2700円)と、ロシアの物価は結構高いのです。
一般のロシア人は、物価高で貯蓄する余裕がない。
余裕があれば外貨(ドル)で持つ。
ルーブルが下がってくると、さらにその傾向が強まって、ルーブルはドンドン売られる。
といった感じでしょうか。
あのLTCMが破綻した1998年の経済危機。
一気に10分の1になったように見えますが、1998年には1000分の1のデノミが実施されているので、実際には1万分の1(だと思います)。
タクシーはルーブルを受け取らず、タバコを要求すると言われていました。
ルーブル預金の価値はゴミ同然となり、国営企業はオリガルヒに買い占められ、貧富の差は急拡大。
それ以降のチャートにしてみると、上下のブレが大分小さくなり、最近の急落までは、2割上がって3割下がったくらい。
ある意味、プーチンの最大の業績は、ルーブルでの預金を可能にしたことかもしれませんが、その威光が揺らいでいます。
統計によると、ロシア人の外貨購入額は、2010年に大きく減って395億ドルだったのが、2012年には620億ドルと増加。
一度全てを失った経験のあるロシア人は、ルーブルの下げに敏感です。
ロシア中銀は7月に政策金利を0.25%利上げして8.0%とし、ルーブルの買い支えに外貨準備高の1割に相当する550億ドル(約6兆円)を使ったとされていますが、効果無し。
9月のインフレ率は8%と3年ぶりの高水準で、食肉と鶏肉は17%も値上がり。
実際には公式発表よりも酷く、スーパーの鮭(さけ)の値段が2倍以上になったとの記事も見かけます。
辛抱強いロシア国民は、なおプーチンを支持するでしょうか。
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