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October 11, 2014

【書評】石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?

「石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)」の著者である岩瀬氏は、三井物産と三井石油開発に勤務した石油のエキスパートであり、ライフネット生命岩瀬社長の父親でもあります。

ニッチの話ではないので、タイトルは捻らずにオーソドックスに付けた方が良かったと思いますが、サブタイトルが「エネルギー情報学入門」とあるように、LNGの価格形成や石油掘削の仕組みを中心にエネルギー全般を考え直してみようという教科書的な構成です。

シェール革命にも1章が割かれていて、巨額の減損を計上した住友商事がシェールガス開発のパートナーとした「デボンエネジー」も登場します。

デボンは、シェールガスの父と言われたジョージ・ミッチェルから、ミッチェルエナジー社を35億ドルで買った、いわばシェールの先駆者。
ミッチェルエナジーが開発した水圧破砕法に旧来の水平掘削法を加えて、大きく躍進しました。

Devon左はデボン社の株価チャート。
同社がミッチェルエナジーを買収した2002年から2008年までで株価は6倍にもなっていますが、最近はピークの半分。
革命の熱気は冷め、リスクも相応に織り込まれてきているといった感じでしょうか。

エネルギーは、我々の生活の基盤です。

原発が良いとか悪いとかではなく、我々はどういう社会を作りたいのか、そのためにはどういったエネルギーで生活を支えるのかという骨太の国民的議論が必要だ。
そのための正しい基礎知識を整理しよう、というのが本書の趣旨です。

出版が先月なので統計数値も新しく、商社マンならではの現場エピソードもあり、読みやすく勉強になる1冊です。

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