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November 23, 2014

スイスの国民投票まで1週間

金価格は下げ止まるのか、一時の踊り場なのか。
生産原価に近いと言われる1200$近辺での攻防に注目が集まる中、スイスで金に関する判断が行われます。

スイスは頻繁に国民投票(レファレンダム)を行う直接民主主義の国として有名ですが、次の週末に審判されるのは「スイスの金を救うイニシアチブ」。

この法案は、スイス国立銀行(SNB)による金の売却禁止と、準備資産の少なくとも2割を金で保有することを要求しています。

そもそもスイス人は大のゴールドホルダーで、SNBが保有する金準備は1千40トンで、世界7位。
人口が少ない(約800万人)ので、国民1人当たりでは世界一。
さらに個人で所有している金がどれだけあるのか。

法案を提出したのは、右派国民党。
国家のためには金を売るな、という発想になるのでしょうか。

世論調査によると、これを支持する国民は3~4割程度ということですから、成立する見通しは低いと見られており、万が一通れば、金マーケットにとっては大サプライズとなりそうです。

スイスは通貨高に苦しんでいるので、仮に中央銀行を金保有高で縛れば、必要なスイスフラン売り介入が実行しにくくなるだろう、というのが常識派の主張です。

最近の金絡みの話題では、オランダ中央銀行。

WSJの「Dutch Repatriate Some Gold Reserves」によると、オランダ中央銀行は、保有する金の20%(120トン)を、NY連銀から本国へ移管させたと発表。

理由は、バランス良く保管するため。

これによってオランダの金は、NY預け分が51%→31%、本国が11%→31%。
残りは、イギリスとカナダになります。

2013年には、ドイツがNYから300トンの金を移送すると決定。
今もチビチビ輸送されているはずです。

ドルが弱い時期に、このような話が出ると、何かと市場を騒がせるので、今のようなドル高の時が発表の好機なのかもしれません。

なお、円建て金価格は円安に反応して、最近跳ねています。
チャートは、純金上場信託(現物国内保管型:証券コード1540)の1年です。

1540

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