アメリカがキューバと国交正常化交渉を開始
ケネディ暗殺の重要な背景とも言われる「ピッグス湾事件」から半世紀あまり。
アメリカとキューバの関係は、劇的に改善される見通しとなりました。
アメリカの経済界がキューバを見る目は、日本がミャンマーを見るのと同じでしょう。
『すぐ手の届くところに教育水準が高く、手垢の付いていないフロンティアがある。そこに中国をはじめ、各国が手を伸ばしている。これ以上待っていたら手遅れになってしまう。』
昨日のNY市場で、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が、+6.6%。
キューバに投資していない投資ファンド「CUBA」は、期待と勘違い(?)で+29%の急騰を見せました。
WSJによると、米国民の観光目的でのキューバ渡航は、今後も違法であることに変わりはないものの、親族訪問や報道、専門的な研究、貿易業務、医療など12のカテゴリーについては既に例外となっており、オバマ政権はこの例外規定を拡大させるとのことです。
キューバの基礎情報です。
・人口 1100万人。
・国土 本州の半分程度。
・言語 スペイン語 コロンブスによって「発見」され、以後スペインが4世紀にわたって支配。
・宗教 原則自由。カトリックが多いが、共産党政権下で抑圧されて衰退傾向。あの創価学会は進出済み。
・日本との関係
1613年に仙台藩主伊達政宗の命を受けて、スペイン、ローマを訪問する為にメキシコ経由で渡欧した支倉常長の一行が1614年7月23日にハバナに到着し、約2週間程過ごしたのが最初のコンタクト。
今年は、慶長遣欧使節団のキューバ上陸400周年という記念の年。
・貿易
輸出入とも、ベネズエラが相手国1位。医療を輸出し、石油を特別価格で輸入する関係。
原油価格下落によるベネズエラの国力低下も、今回の判断に影響しているでしょう。
日本には、エビなどを輸出し、ポンプや発電機を輸入。
世界遺産の首都ハバナ旧市街、ヘミングウエイの足跡、アメ車クラシックカー、カリブ海リゾート、ラム酒ベースのダイキリ、キューバンミュージックと観光要素満載ですから、解禁されれば、あまりに近いこの国がアメリカ人で沸き立つことは間違いなし。
アメリカ国内では、リトルハバナもある、玄関口のフロリダ州に一番恩恵がありそうに思います。
フロリダ州に本社がある企業というと、先に登場したロイヤル・カリビアンの他、バーガーキング、タッパーウェア、保険のフェデレーテッド・ナショナル・ホールディング(FNHC)、鉄道のCSXトランスポーテーション(CSX)など。
ディズニーも、フロリダとキューバのセット観光が人気化すれば、恩恵があるかもしれません。
流血のニュースばかりが続く昨今ですが、両国の相互理解が順調に進展し、平和と繁栄に寄与することを切に願います。
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