ロシアルーブルが暴落
原油とロシア関連は動きが激しすぎ、数値を拾っている間にも変わってしまいそうですが、16日NY終値時点で、WTI先物が55$台(年初来で▲45%)、ルーブルの対ドルレートは0.0147(同じく▲47%)、ロシア株式指数RTSは630(同▲56%)。
要するに、1年で半分。
通常、為替のボラティリティは株式や商品よりも低いので、ルーブルの変動が実体経済に最もインパクトが大きいかもしれません。
ロシアの政策金利は、年初の5%台から17%に。
16日には一気に6.5%も上げましたが効果は短く、ルーブルは更に売られました。
対円では、1ルーブル=1.7円まで下落。
さすがに割安になったでしょうか。
今年モスクワに出来た日本式ラーメン店「ラーメンクラブ」では、最も安い味噌ラーメンが250ルーブル=425円。
セルフ式で、日本で言うなら「立ち食いそば屋」の造りですが、決して物価が安くないモスクワとしてはお手頃感が出てきました。
マクドナルドのビッグマックは88ルーブル=150円。
日本の370円と比べて半分以下。
ドルベースで1.3$は、おそらくインドより安く、中国・台湾の半額といったところです。
こうしている間にもメニューが書き換えられてしまう可能性はありますが、普通にイメージする価格の半分くらいになっており、ルーブル売られすぎの目安にはなりそうです。
次のグラフは、ここ5年間の原油価格とルーブルの関係。
ほとんど同じ動きです。
従って、原油をドル建てで売っている限り、ルーブルでの手取りは大きく変わらない理屈です。
ロシア財務省のデータでは、1-11月の財政収支は1兆2700億ルーブルの黒字と、黒字額は前年同期の6000億ルーブル、12年の7890億ルーブルを上回っています。
ジム・ロジャースも、ドル建て収入のあるロシア銘柄を持っているが、それほど下がっていないと言っています。(原文)
意外と潤沢なロシア財政は、政府による企業支援が比較的容易であることを示していますが、ドル建て債務の企業については支援コストが高く、深刻な事態も予想されます。
グラフでは718になっていますが、実際の直近値は630です。
これは、リーマンショック後最安値498より、まだ3割ほど高い水準。
過去を見ると、2004~2005年水準と同じレベルで、当時の原油(WTI)は今と同じ50$近辺でした。
ロシアの株価は原油価格次第でしょうから、過去のトレンドと見比べると今の株価水準は、まあこんなものかというレベルに見えます。
外貨準備総額は約50兆円と言われています。
プーチンが、原油が高い内に「基金」を作って貯めておけ、といった効果もあり、かなり潤沢です。
ちなみにサウジアラビアが80兆円規模です。
実際に使えるのは半分くらいという見方もありますが、年間の外貨債務返済に必要なのは約15兆円。
減ったとは言え、原油収入という日銭もあるので、数字上は1年以上持ち堪えられることになります。
もしロシアが本格的に危ないとしたら、もっと危ない国や企業が先に倒れて教えてくれるような気がします。
なお、昨日のNY市場では、「ERUS」や「RSX」といったロシア株ETFがプラス引けしました。
FOMCのタイミングでポジション巻き戻しの可能性もあり、当面は上にも下にもハイボラ相場が続きそうです。
原油価格とルーブルが落ち着くには時間がかかりそうですが、日本が資源権益を安く買うにはビッグチャンスの到来。
年明けには商社が動くのではないでしょうか。
北方領土も、ドル建てなら売ってくれるかもしれません。w
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