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January 11, 2015

スリランカは大きく変わる

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「インド洋に浮かぶ真珠」スリランカで今月8日に大統領選挙が行われ、大統領の側近で保険大臣を務めていたシリセナ氏が当選しました。

現職のラジャパクサ氏は、26年間の内戦を終結させた「英雄」でしたが、兄弟を大臣に据えるなど、いわゆる開発独裁型の傲慢な政権運営が目立ち、それを中国が支援するという構図でした。

ラジャパクサ氏は、大統領(任期6年)の3選を禁じた憲法を改正し、任期を2年残して選挙を強行しましたが、現状を「浅はかな外交」と批判したシリセナ氏が国民の支持を得ました。

スリランカの人口は約2000万人。
7割を占める多数派シンハラ人と、少数派のタミール人の民族紛争が長く続きました。

シンハラ人は北インドから渡ってきたとされ、アーリア系。
タミル人は南インドに多く、ドラヴィダ語族に分類されます。

そのタミール人は、古くからこの島に住むスリランカ・タミールと、イギリス植民地時代にインドから連れてこられたインド・タミールがいます。

例によってイギリスが少数派タミル人を優遇し、内部分裂を利用した植民地経営を行いましたが、独立後はシンハラ人がタミル人を抑圧。
独立を目指すタミル人組織「タミル・イーラム解放のトラ」が武装闘争を続けましたが、2009年に鎮圧されました。

その直後、ジム・ロジャース氏は「スリランカに投資しろ」と叫んでいました。

スリランカのGDPは、内戦終結後の5年間で2倍になり、一人あたりでは3200$と、インド(1500$)の2倍です。(インドを平均で語ってもなんですが)

新大統領のシリセナ氏も多数派のシンハラ人ではありますが、スリランカ本来の非同盟・全方位外交を掲げ、タミル人も支持に回りました。

開発独裁=親族主義=賄賂の横行=親中という路線が大きく修正され、インドや日本の出番が増えることが期待されています。

現在、陶器のノリタケは9割以上をスリランカで生産し、キリンの「午後の紅茶」はスリランカの茶葉です。
今後は、中国に偏っていたインフラ系の受注が狙い目となりそうです。

少し大げさですが、大国中国の隣の島国が日本であるように、大国インドの隣の島国が同様に発展する可能性もないとは言えません。

サンスランシスコ講和会議において、ソ連が日本の分割統治案を持ち出すなどして妨害した時、セイロン(当時)の大蔵大臣だったジャヤワルダナ代表が、
「日本の掲げた理想に独立を望むアジアの人々が共感を覚えたことを忘れないで欲しい。憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止むことが仏陀の精神。(同じ仏教国である)日本の自由を制限することを望まず、賠償権は放棄する。」
と演説して、会議に漂っていた制裁ムードを一変させたことは有名です。

かつてモルディブに行く途中に1日だけスリランカに立ち寄って仏教遺跡を観光したことがありますが、インドとはまた違う、穏やかな国民性が感じられました。

インドに行ったことはありませんが。w

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