物産と商事の決算
昨日公表された、三井物産の第三四半期決算。
累計の利益は2544億円と、前年同期比で2割減。
通期予想利益は3800億円→3200億円へと下方修正されました。
エネルギー関連の減損は480億円と、修正幅の8割に相当します。
EBITDAは6654億円(前年比+474億円)と増加していますが、その大半を占める売上総利益は169億円マイナス。
四半期単位でのEBITDAの推移は、2442億円→2179億円→2033億円と、次第に細っています。
予想EPSは212円から179円に減り、3割配当方針なら配当は54円ですが、64円に据え置いて株主に配慮を見せました。
予想配当性向は36%となります。
これだけ資源相場が下がって無傷の訳が無いので、概ね織り込み済み。
現在のバリュエーションは、PER8.8倍、PBR0.7倍、配当利回り4.05%です。
三菱商事の四半期累計利益は3153億円と、前年同期比192億円減少(▲6%)。
予想利益は4000億円、予想配当は70円に据え置かれました。
減損は350億円。
営業キャッシュフローは3577億円と、前年同期比239億円のマイナス。
好調な非資源分野が資源分野の落ち込みを補って利益予想据え置きという説明をしていますが、資源部分の通期予想利益は当初の1670億円から720億円へと950億円もの大幅減益。
それを救ったのは、ローソン株等の評価戻し益680億円。
これが無ければ物産同様に600億円規模の減額修正だった可能性もあり、資源不況のダメージは似たり寄ったりなのかもしれません。
現在のバリュエーションは、PER9倍、PBR0.66倍、配当利回り3.2%。
なお、巡航状態での資源依存率は、物産が7割、商事が4割といったところだと思います。
この結果を、やはり市況に振り回されやすく脆弱と考えるか、原油価格が異例の事態でも影響は限定的と見るのかは様々でしょうが、両巨大ファンドのキャッシュフロー創造力は安定的であり、引き続き私の資金の一部は運用してもらいます。
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