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March 19, 2015

FOMC後の米国長期金利は再び2%割れ

FOMC声明では、直接ドル高懸念への言及はありませんでしたが、「住宅市場の回復は依然として遅く、輸出の伸びは弱まっている」と表現され、暗に金利上昇とドル高を牽制しています。

また、「労働市場がさらに改善し、物価も中期的には目標の2%に向かって戻っていくと合理的に確信できた時、政策金利の誘導目標を引き上げるのが適当」と表現され、今後の利上げについては、物価動向次第であることが明確になりました。

前回2月分雇用統計では、賃金上昇ペースが前月の0.5%から0.1%へと鈍化しているにも関わらず、市場は早期利上げ観測に傾斜しましたが、それは違うということです。

米国長期金利は0.13%下がって1.92%。
2年金利も、0.12%下がって0.55%。

前回2年金利が同水準だった2月初めのドル円は118~119円でしたので、そこへ向かう円高圧力と、中長期的なドル買い勢力とのせめぎ合いになりそうです。

FRBが物価指標として重視しているPCE価格指数(1月)は、前年比で僅か0.2%の上昇。
食品と燃料を除くコアPCE価格指数でも、前年比で1.3%の上昇と、2%は高いハードル。

声明文では依然として、エネルギー価格の低下を一時的な影響としていますが、現実の原油市場を見ると、需給調整に時間がかかりそうな雰囲気です。

6月のFOMCで小幅に利上げするという可能性は残っていますが、あと3ヶ月で原油市場が急反発し、「2%への確信が生まれる」可能性は相当に低いように見えます。

相場に決め付けは禁物ですが、何か一つ投資の前提を置くとすれば、やはり「低金利状態の継続」ということになりそうです。

FOMCメンバーによる2017年予想金利レンジは、前回の3.5~4.25%のレンジから、2.625~3.75%のレンジに下方修正されましたが、CMEの金利先物市場で取引されている2017年12月金利水準は、1.7%に過ぎません。

FOMCは回を重ねるほど、民間予測の金利レベルに近づいていくのかもしれません。

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