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April 16, 2015

トルコリラが安い

日経新聞が「トルコリラ 最安値(対ドル)更新」の記事。

新聞に出る時はトレンド終了という説もありますが、まずはトルコリラ/ドルの長期チャート。

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リーマンショック時には、0.8→0.6に急落。
その後、0.7近辺に持ち直したものの、そこから半値に落ちて、今は0.37。

対円では、下図の通り。
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円安の影響もあって、2012年の40円台を更新するには至らず、44円台。

言うまでも無く、近年のトルコ経済は大きく成長しました。

2010年の一人あたりGDPは約1万ドルで日本の4分の1程度でしたが、昨年は2万3千ドルと日本の3分の2に迫っています。

但し、貿易収支・経常収支は赤字傾向。
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昨年少し改善しているのは原油安のおかげです。

次は、GDP成長率とインフレ率の比較(%)。
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今世紀初頭の50%を越える高インフレは収まり、2010~11年にはインフレを上回る成長を遂げましたが、近年再びインフレが成長を上回っています。

トルコにはトヨタをはじめ、フィアット、ルノー、フォードなどの自動車メーカーが進出し、生産量の7割程度を主にEUに輸出していますが、稼ぐよりも消費が多く、その資本不足を直接投資で埋めています。

政治状況は、昨年夏の大統領選挙でエルドアン首相が当選。
相次ぐ汚職スキャンダルを、警察や検察の粛正という強権発動で乗り切り、イスラム寄りの政策で独裁色を強めています。

治安については、最近2件のテロが発生。

大停電のあった3月31日、イスタンブールの裁判所で武装した2人が検察官を人質にとって立てこもり。犯人は射殺されましたが、人質の検察官は死亡。
反政府の極左組織「革命派人民解放党・戦線」の犯行と報道されています。

翌4月1日には、イスタンブールで武装した男女2人組が警察本部を襲撃し、警官2人が負傷。

いずれも、6月に迫った議会選挙を前に、エルドアン体制を批判する勢力の示威行動と見られていますが、その大統領は、選挙前の景気対策として中銀に利下げを求め、政策金利は今年2回利下げされて、昨年末の8.25%から7.5%まで下がりました。

直近3月の消費者物価指数は7.61%と、前月の7.55%から悪化。

常識的には利下げもストップだろうと思われますが、エルドアン大統領としては、大勝して大統領権限を強化したい思惑があり、さらに利下げ圧力を強めるのではないかとの観測もあります。

現在のトルコはエルドアン大統領の下で、ロシアや中国のような独裁型警察国家への道を歩もうとしているのですから、トルコリラをサポートする事自体が、市場フレンドリーとは言えない政権支持に繋がってしまいかねないという投資家のジレンマも生じているかもしれません。

イスタンブール株価指数は、1月の高値から10%以上調整しています。

ただし、7%台の金利スワップは魅力的ですから、トルコリラの宣伝に力を入れるFX会社も目立ちますが、ドルの利上げや円高傾向の市場動静を踏まえれば、まずは対円で40円を切る新安値を期待したいところです。

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