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April 27, 2015

米国住宅市場の確認

過去1年の新築住宅販売戸数です。

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悪天候にも関わらず、今年1、2月が年間ペースで50万戸を越え、好調ぶりを示していましたが、3月は一転して前月比11%減の48万1000戸。
2013年7月以来1年8カ月ぶりの大きな減少率となっって、市場を少しがっかりさせました。

なお、先行指標である建設許可件数(下図)は安定しています。

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一方、中古住宅(以降は「既存住宅」と表示します)の1年。

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3月の既存住宅販売は前月比6.1%増の年率519万戸。
市場予想の503万戸を上回り、2013年9月以来1年半ぶりの高水準でした。

価格はどうか。
2000年以降のケースシラー住宅価格指数。

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サブプライムローンバブルは、およそ6年間で住宅価格を2倍にしました。
そこから3割落ちて、半値戻しの格好。

15年間通してみると7割の上昇。複利だと、年間3.6%。
これは過去の感覚では十分許容される範囲だと思いますが、物価上昇率が年2%程度に留まるという前提だと、「自分が買う前に価格が戻ってしまった」ように感じるかもしれません。

この住宅価格に関し、新築と既存の価格差が拡大していることをWSJが取り上げています。(12ヶ月移動平均値、中央値)

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既存の方は、まだリーマンショック前の水準に完全には戻っておらず、日本円で2500万円くらいですが、新築はまるで株価と同じように、あっさりと高値更新。
30万ドル(3600万円)に届こうかという上昇振りです。

新築と既存の差は、リーマンショック前10%程度だったものが、40%に拡大。
株で儲けた人は新築を買えるが、そうで無い人は取り残された、とも見えます。

既存住宅販売を長期で見てみます。(1980年~)

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異常だったと思われる2003~2007年頃を除けば、ほぼ復活と言えそうです。

一方、新築マーケットは、、90年代後半と比べても、ざっくり半分と大きく見劣り。

Sinntikuchouki

下図は、住宅ローン金利(30年)。

Mortgage

当時(90年代後半)は6~8%で、今は3.5~4%ですから、約半分。
金利が半分でも、売れるのは半分。

リーマンショックの反動というレベルでは無く、80年代前半の水準まで戻ってしまい、風景が変わりました。

ライフスタイルや将来見通しが変化し、賃貸やコンドミニアム暮らし、親と同居など住生活も多様化。

一戸建て住宅こそがアメリカンドリームだと、無条件に明るい未来を想像していた時代とは、明らかに前提が変化したようです。

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Comments

円高の時ですが、アメリカの郊外の大きいお家がすごく安くて目がテンになったのか懐かしいです。

Posted by: a | April 27, 2015 10:39 PM

四半世紀前、日本を全部売ると、アメリカが全部買えました。
その時、ハワイとカリフォルニアくらいは買っておくべきでしたね。

Posted by: akazukin | April 27, 2015 11:34 PM

ほんとそうですね。
円高の時に世界中の権益、企業、土地などを買ってから金融緩和すれば良かったのに。今じゃ日本がバーゲンセールです。

Posted by: a | April 28, 2015 12:07 AM

成功かどうかはともかく、円高で大胆に買い物したのは孫さんくらいです。
この勝負勘は、やはり凄いと思いましたね。

Posted by: akazukin | April 28, 2015 11:49 AM

これまたそうですね。成功してきた創業者はやっぱり違いますね。これをきっかけに円安に弾みがついたような。他の大企業の多くは高値になってからようやく買収や設備投資をしていますよね。その挙句御しきれないで手放す なんて事もよくあるような気がします。日本はあらゆる面で生産性 効率が悪いと思います。

Posted by: a | April 28, 2015 08:52 PM

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