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April 22, 2015

米主要企業の決算状況

米国主要企業の1-3月期決算発表時期(楽天証券サイト)は、4月13日~今月末なので、今は前半戦が終わったというところです。

ここまでで、何か大きなトレンドは見えるでしょうか。

◇インテル(INTC)

インテルは、PC→モバイルの流れに出遅れたとされ、株価は1年前まで25ドル付近で低迷。
しかし、悲観過ぎたPCマーケットの縮小観測の見直しと、モバイル用プロセッサー「Atom」への期待等もあり、昨年末には37$まで回復。現在はやや落ち着いて、32$近辺です。

決算内容は、

EPS:予想41¢に対し、結果41¢
売上高:予想128.3億ドルに対し、結果127.8億ドル

2015年通期のインテルへの期待値は、EPS2$強、配当1$弱といったところ。
現在のバリュエーションは、PER15倍、期待配当利回り3%近辺ですから、キャッシュリッチな安定企業としてはフェアバリュー水準という気がします。

今年の売上高予想は2014年と同じ、かつ設備投資計画は、従来の95~105億ドルが82~92億ドルに減額されているので、あまり強気で買いにはいけないというムードでしょうか。

◇ジョンソン&ジョンソン(JNJ)

同社の売上比率は、大雑把に言って、米国内4:海外6ですから、かなりドル高がきつそうです。

EPS:予想$1.54に対し、結果$1.56
売上高:予想173.3億ドルに対し、結果173.7億ドル(前年同期比-4.1%)

今回、国内売上高は+6%、海外売上高は-12%で、海外売上減は全て為替要因によるものと説明されています。

株価は100.3$。
今年の期待値であるEPS6.2$、配当2.9$に対して、PER16倍、利回り2.9%。
これも、フェアバリュー圏と思われます。

◇ウエルズファーゴ(WFC)

バフェット好みの実直な金融機関というイメージでしたが、今やJPモルガンを大きく凌ぐ時価総額。
流石に無難な着地で、

EPS:予想98¢に対し、結果$1.04
売上高:予想214億ドルに対し、結果213億ドル(+3.3%)

今年の期待値を、EPS4.2$、配当1.4$あたりに置くと、現在の株価54$は、PER13倍、利回り2.6%。

気になるのは、今後もイールドカーブがフラット化(FRBが利上げしても長期金利は上がらない)し、融資業務をメインとするWFCにはアゲインストではないかという見通しです。

まあ、そのあたりも織り込まれた価格形成かもしれませんが。

◇JPモルガン(JPM)

EPS:予想$1.40に対し、結果$1.45
売上高:予想244億ドルに対し、結果241億ドル

概ね予想通り。

今年の期待値は、EPS5.6$、配当1.8$くらい。
株価62.3$は、PER11倍、利回り2.9%。

数字だけ見ると割安にも見えますが、東京市場でも、メガバンクが平均以上のバリュエーションを付けることは、まず考えられません。

WFCは米国100%ですが、JPMは海外(米国外)売上が4分の1くらいあるので、その分のディスカウントがあるのかもしれません。

◇IBM

今やバフェット銘柄ですが、

EPS:予想$2.83に対し、結果$2.91
売上高:予想196.8億ドルに対し結果195.9億ドル(-12%)

クラウド事業に集中するために不採算事業を切り離す方針ですから、売上減は当然と見るのか、マイナスを埋めきれていないことをネガティブに評価するのか。

株価は、決算前と大きく変わらない164$前後で推移しています。

期待値は、EPS15.8$、配当4.6$くらいで、PER10.4倍、利回り2.8%。
PERは低いですが、第一Q純利益進捗率が18%と低いことが関係しているかもしれません。

◇アメックス(AXP)

EPS:予想$1.37に対し、結果$1.48
売上高:予想82億ドルに対し結果79.5億ドル(-3%)

米国内比率が7割と比較的高いので(VISAは大体半分)、ドル高の影響を受けにくいのかとも思いましたが、前年比マイナス3%の売り上げ。

市場は売上の予想未達に反応し、株価は決算前の80$→77$台へ下落。
期待値は、EPS5.6$、配当1.1$くらいと思われ、PER13.8倍、利回り1.4%程度。
配当性向は20%以下。

市場は、「成長か配当か、どっちかは見せろ」という苛立った反応にも見えます。

◇デュポン(DD)

EPS:予想$1.31に対し、結果$1.34。
売上高:予想  94.1億ドルに対し、結果91.7億ドル(-9.4%)

為替のマイナス要因を0.6$/株から0.8$と悪化方向に修正。
予想EPSは4~4.2$と、前回見通しの下限となり、株価は3%下げました。

期待値に基づくPER17.7倍、利回り2.7%。
やや割高にも見えてきました。

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ドル高の影響は海外収入の減少に直結するので、特にダウ銘柄のように、グローバル展開する企業には厳しい条件となっています。

目の前のEPSはコスト削減でどうにかなっても、これ以上売上が減るならどうしようもないだろう、ということで、普段よりも売上の減少にネガティブな反応が強いようです。

米国投資家は、NASDAQや小型株、そして通貨安の国に資金シフトせざるを得ず、当面の日本株にはプラス作用し、今日の日経平均は終値で2万円を越えました。

尤も、ドル高傾向が今後も持続すると決まった訳では無く、NY市場の株価が調整し、金利も下がるとなれば、ドルの吸引力は低下します。

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