シカゴ筋ポジションの確認(5/26時点)
(5月26日) (5月19日) (増減)
カナダドル 7333 4348 +2985
スイスフラン 8330 9405 ▲1075
ポンド ▲25539 ▲23362 ▲2177
円 ▲62224 ▲22005 ▲40219
ユーロ ▲171740 ▲168339 ▲3401
NZドル ▲5087 ▲2231 ▲2856
豪ドル 6422 7323 ▲901
足下ではドル高が進んでいますので、全般に▲が並ぶのは現実の為替市場と一致していますが、その主戦場は、ユーロから円に移りつつあり、軽くなっていた円ショートポジションは、一気に3倍となりました。
一方のユーロは小動きです。
この数日は達成感からか、利益確定売りが出ている様子ですが、ドル円はこのチャートよりも上昇波動が強い気がします。
利上げ観測の前倒しでドルが買われているという新聞解説を裏付ける根拠はなく、今回の円安は、元々売られやすい円売りの再開というニュアンスが色濃く出ています。
元々売られやすい理由としては、中央銀行の政策方向の違いというベーシックな環境があります。
また、財政に不安がある日本の投資家は、外貨を保有することで保険になるという意識が高く、また家計の外貨保有割合が低いので、円を減らす方向に動きやすいという構造があります。
これに対して、購買力平価からの乖離と国際収支の改善という円高方向の圧力があるものの、今のところは目先の円売り勢力の方が優勢です。
一般的には、短期テクニカルの円売りと、ファンダメンタル円高派の拮抗という理解になりますが、今述べたように、円売りには構造的な要因も含まれているのが、気持ち悪いところです。
元々ホームバイアスの強い個人金融資産が一斉に国外に逃げ出すという事態を今すぐ心配する必要はないでしょうが、潜在的な財政不安が通奏低音のように「円は大丈夫か」という問いを突きつけます。
今後のドル高円安の目処としては、アメリカがドル高をどこまで容認するのかがポイントで、もし円安だけが進むのであれば、日銀が政策転換することが必要かと思われます。
Comments