東芝が決算発表できず
変調のサインは、4月8日。
「2013年度(2014/3)決算での工事進行基準に係る会計に疑いが生じ、1ヶ月程度の調査を要する」という内容でした。
東芝は同じ2013年に、会計処理の特別調査委員会を設置。
子会社の東芝医療情報システムズで98億円の不適切な会計処理が判明し、13年9月中間決算で一括して損失計上した「前科」があります。
しかし東芝の予想純利益額は1200億円レベルですから、仮に同様の事が起こっても増益は揺るがないだろうと、市場はさほど悲観視しなかったものと見られます。
ある程度損失金額が読み込めるのであれば、多めに引き当ててしまって決算を締め、配当は予定通り行うという穏やかな選択肢もあったと思いますが、それが1ヶ月経過しても出来ないと言うことは、「金額が大きいか不確定→第三者委員会による承認が必要→株主総会に間に合わない」ということになってしまったようです。
工事進行基準は将来原価を見積もって現在に割り振るので、損益調整弁に使われやすいという特徴はあるものの、東芝ほどの大会社であれば類似事業の利益率との比較や社内での二重三重のチェック機能も働くでしょうから、後から問題視されるほどの差異が生じることは非常に考えにくく、組織的な欠陥があると疑われても仕方がないように思われます。
具体的な数字が出ていないだけに、週明けの市場は大いに戸惑うことになるでしょうが、ちなみにNY市場では13%下げました(ティッカー:TOSYY)ので、これが一つの目安となりそうです。
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