シカゴ筋ポジションの確認(7/21時点)
(7月21日) (7月14日) (増減)
カナダドル ▲43568 ▲40726 ▲2842
スイスフラン 3417 3081 +336
ポンド ▲21468 ▲24199 +2731
円 ▲62314 ▲47371 ▲14943
ユーロ ▲112976 ▲107781 ▲5195
NZドル ▲15954 ▲19654 +3700
豪ドル ▲40850 ▲33541 ▲7309
全体にマチマチの状況。
為替市場における懸念は、上記の主要通貨ではなく、流動性の低い新興国通貨に移っています。
ブラジルレアル、韓国ウォン、タイバーツなど、いずれも大きく売られています。
下図はタイバーツ/USDの長期チャート。
現在の正確な値は、0.0286で、リーマンショック後安値の0.028に接近しています。
資源国通貨の下げが、他の新興国通貨にも広がってきた理由は、人民元の切り下げ観測だと思われます。
(WSJ 中国、貿易促進策を発表-人民元の許容変動幅拡大も視野)
先日中国は、4-6期GDPを+7%と発表して世界の嘲笑を浴びましたが、実態は相当悪いはず。
中国国家能源局は、今年上半期の全国電力消費量の伸びを、前年同期比1.3%増と公表しています。
経済の急減速を恐れる中国政府は、死に物狂いの株価対策、社会不安を防ぐための腐敗防止強化、人権派弁護士の弾圧、反日運動の抑制などを進めていますが、投資家は輸出振興のための人民元安誘導を恐れ、先回りして新興国通貨をバンバン切り始めています。
97年のアジア通貨危機に比べると、各国とも外貨準備に努め、安心度は格段に高い、というのが定番の解説ですが、どこまでの激震に耐え得るのかは良く分かりません。
昨日のNY市場を見ると、資源関係銘柄は一段と低いステージに突入しており、明らかな弱気が支配しています。
もし人民元が大幅に安くなれば、全ての中国関連資産の価格切り下げが必要となり、中国株の急落、金相場の新安値圏入り、WTIの50$割れ、アジア新興国通貨の下落、ドル高による米国株の頭打ちなどの様々な点と線が共振し、面になっていくことが心配されます。
そもそも秋は相場が弱いものなので、今年も一段と注意が必要という認識です。
Comments
視野の広さと想像力 やっぱり頭が下がります。
対円レートしか見ていないと、その他で進んでいる世界の趨勢に気づく事はできませんね。まずはオーストラリアドルとドルのレートを見る習慣から始めたいと思います。
中国元版アジア通貨危機 全く想像していませんでした。やっぱり一か所大きくほころぶと、あちこち問題が生じる可能性が高くなるのですね。
また、マスコミ、著名人が騒いでいないところからのショックの可能性 意識しておきたいと思います。
Posted by: 弱気投資家 | July 26, 2015 02:45 PM
代表的な資源通貨である豪ドルは、対ドルで0.75が今年前半は歯止めになっていたのですが、突き抜けてしまって、なかなか底が見えません。
要約すれば、中国経済への前提が下方修正されて、あちこちの市場に飛び火しているということではないでしょうか。
この辺りで収まれば軽微ですが、最近の市場は何かと行き過ぎが激しいので、注意したいところですね。
Posted by: akazukin | July 26, 2015 03:11 PM