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July 28, 2015

アメリカと中国のデカップリング

先週末に心配していたチャイナリスクが、いきなり週明けに炸裂。
月曜の上海総合指数は▼8.5%、今日も▼1.7%と続落しました。

昨日、中国国家統計局が発表した一定規模以上の工業企業の2015年6月の利益は前年同期比0.3%減と、マイナスに転じました。

7%成長している経済で、企業業績がマイナスという不思議の国の株安など、本来は無視していれば良いのですが、コモディティ市場の低迷による不安心理を増幅させ、金融資本市場を必要以上に動揺させてしまうリスクはありそうです。

中国経済の実態は、上海株では無く、コモディティ市場に現れていると皆思っていますが、ちなみに原油(WTI)が今年最も安い43$を付けた3月17日、エクソン株は84$で下げ渋っていましたが、WTIがまだ47$の昨日、エクソンは79$と安値更新。

これは、原油価格の反発期待が大きく後退し、来年はイラン産原油が市場に出回る可能性もあり、原油市場の長期低迷を示唆しているものと理解されています。

こうなると、物価上昇というシナリオは、どう考えても脇に置いておきたくなりますが、FRBは年内利上げを市場に織り込ませようとしています。

そもそも世界がこれだけ相互依存し、資本が瞬時に国境を越えて移動する以上、かつてのように「BRICSだけは成長する」といったデカップリングシナリオは語られなくなったはずですが、今やアメリカと中国の金融政策の方向性は真逆を向いています。

世界経済1位と2位、お互いに主要な貿易相手。
なのにここまで風景が違うのは、一体どうしたことか。

中国の政策金利は、昨年秋以降、下げ一本槍です。

Photo

日立建機は今日の決算発表で、中国地方政府からの工事発注が減少し、不動産開発が全面的に落ちている状況は変わらないとして、今年度の中国ショベル需要を2割下方修正しました。
ファナックも、中国を含む受注減を理由に、通期利益を16%下方修正(前期比では▼23%)しました。

もし、アメリカが中国の景気実態に歩み寄るとすれば、FRBが利上げを遅らせるのが一番簡単で、敵も作らないでしょうが、それでは市場の催促に応えるだけの弱々しいFRB議長という評価になってしまうでしょうか。

JPモルガンのグローバル・チーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は「最近のコモディティ価格の軟調は、われわれが想定していないような世界経済成長の失速を示唆しているのではないかと心配している」と述べたと報道されています。(ロイター

日本株は世界の避難所的な扱いであり、ドル高も資源安も味方に付けることが出来るので、今のところ被害は軽微ですが、欧米人の好きなビッグピクチャーで語るなら、中国の膨張の功罪を、最も受けやすい地政学的ポジションにあります。

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