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August 11, 2015

人民元が”少し”切り下げ

今日の人民元は、中国人民銀行による変動幅拡大の方針を受け、対ドルで前日比1.8%安で終了しました。

これを突然という報道がありますが、7月24日に変動幅拡大方針がアナウンスされており、事実上の切り下げ予告だと理解されていました。

本ブログ上でも、7/25の「シカゴ筋ポジションの確認(7/21時点)」の中で、人民元切り下げ観測を取り上げていますから、今日の事態をサプライズだなどと平気でのたまうプロは、さっさと引退すべきです。

史上最大幅という報道もありますが、90年代前半にはもっと大きな切り下げをしています。
下図は、対ドルでの人民元レートです。

Rmbusd081001

周辺国から見れば、勝手に切り上げさせられたのと一緒ですから、これが90年代後半のアジア通貨危機の遠因となったとの見方が今は定着しています。

そもそもアベノミクスで50%も通貨を切り下げた国のメディアが、このくらいで大げさに騒ぎ立てるのは滑稽にしか見えません。

下図は人民元の対円レート。

0811001

たった3年で12円が20円。
これが「爆買い旅行」の最大の背景であることは疑いの無いところです。

人民元の適正な価値は分かりませんが、彼らにとって何でも安く見えるとしたら、人民元割高の可能性があります。

中国は、かつてアメリカから為替操作国と批判されたこともあり、また内需主導経済へ移行するためにも必要と考えて通貨高を容認。
ほぼドルペッグしてきましたが、ここまでドルが高くなるとは思っていなかったので、流石に少し方針変更したいと思うのは自然な対応のように見えます。

最大の株価対策は実態経済へのテコ入れですから、最近の株安への答えとしても、想定された選択肢ということになります。

問題は、周辺の通貨脆弱国家である、タイ、マレーシア、インドネシアが、かつてのようにドミノ倒しとなって広範囲に混乱を招かないかという点ですが、それはこの切り下げが1回で終わるのかどうかにかかっていますし、中国も90年代とは存在感が違うことくらい分かっているので、すぐに無茶はしないでしょう。
但し、想定以上に経済が落ち込むとすれば、背に腹は替えられないと判断するに至る可能性も否定は出来ません。

中長期的には、人民元が変動相場制に移行できるのかどうかという課題も残っています。

IMFは、SDR入りを希望する中国に、為替の自由な変動が必要だから来年秋まで待つと宿題を与えたのですから、この1年余りで、人民元に大きな制度的変更がある可能性は高いのです。

そのシナリオに従えば、まだこれは序章に過ぎません。

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