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September 22, 2015

基準地価から見る国土のメリハリ

先週国土交通省が発表した、7月1日時点の基準地価。

三大都市圏はプラスながら地方圏がマイナスで全体はマイナス、というお馴染みの構造ではあるものの、札幌、仙台など地方中核都市の上昇率は昨年より拡大。

総括すると、かつての「国土の均衡ある発展」は遠く去ったかわりに、「各ブロックでメリハリある投資」が進んでいるように見えます。

目立った「ハリ(張り)」の部分をざっと眺めます。

東京では、円安と観光効果もあり、青山(表参道)で+20%、銀座(明治屋前)が+17%。
ベイエリアの住宅地では、月島と北品川が+11%。

今や多摩地区の星と成りつつある立川でも、商業地で+13%地点があります。
駅直結のプラウド立川は坪340万円で昨年完売、今年11月には駅の北側地区に「ららぽーと立川立飛」がオープンしますので、ますます便利になりそうです。

北海道は言うまでもなく札幌一極集中ですが、住宅地、商業地ともに+7%以上の地点が複数出ています。
北海道としては、かなり上昇感のある数値です。

昨年夏、道庁東隣に完成した「札幌三井JPビル(三井不動産と日本郵便のJV)」の商業部分は、想定来場200万人に対して500万人と伝えられています。

なお、このビル内への高級ホテル誘致計画は頓挫しましたが、現在であれば違った判断になったはずで、少し残念です。

東北は仙台駅東口で再開発ビルが建築中で、周辺では+13%地点も登場。

特にマンション価格の高騰は顕著で、震災前は坪100万円程度でも手頃な物件が探せたのが、今や少し条件が良いと200万円。
住不は、駅近中心部を250万円で売り切ろうとしています。

下図は、河北新報の「マンション価格 仙台圏でバブル超え」の中のグラフですが、実感される単価上昇はもっと右肩上がりですし、需要増と供給減のミスマッチも生じているように見えます。

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復興で金は落ちるものの、復興工事のためにマンション供給は減少。

「もはや仙台は首都圏並みになった」と豪語する業者もいますが、札幌と逆転したと思われる価格水準には、その持続性に疑問も感じられます。

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中部地方では名古屋の一部が沸騰。
駅東口のポイント(↑)で、+46%と全国1位。
一瞬、数字の見間違えかと思いました。

住宅に関しては、名古屋人は戸建て志向が強く、いわゆる駅近マンションブームという賑わいは感じられませんでしたが、野村不と積水が相次いで伏見駅近辺でタワーマンションを予定しており、こちらも沸騰前夜の気配が感じられます。

衰退の代名詞であった大阪。
なんと、商業地の平均上昇率が3.6%と、都道府県別で全国首位。

しかも、どちらかと言うと「キタ」の陰に隠れていた「ミナミ」の南船場と難波地区で、それぞれ+30%、+29%と金銀独占。

大阪は京都のホテルが取れない時にやむをえず泊まる場所ではなく、今や訪日観光のゲイトウェイであり、B級グルメファンの巡礼地(?)となり、ホテル業者とマンション業者が用地を取り合う現象も見られるようです。

九州では福岡。
JR博多駅前の地点で+19%、天神でも二桁上昇地点が複数。

博多阪急が開業した4年前から、駅前と天神が競り合って上昇するような格好となり、住宅地の平均も+2.1%と堅調。

九州は地元のデベが強いのが特徴で、あのキャナルシティも福岡地所。

東京資本はなかなか大きく食い込めていませんが、埋め立て地アイランドで住不が45階建て高層マンションを建築中など、一定の存在感を示しています。

最後に沖縄ですが、2年連続の上昇。

住宅地平均は+2.8%と福岡を上回って、九州沖縄地区でNO1。
商業地も+3.6%で、福岡の4.8%に次いで同2位。

北中城村の米軍専用ゴルフ場跡地に今年春オープンした「イオンモール沖縄ライカム」も、周辺地価の上昇に貢献しました。
Photo_3

地価の上昇が地方中核都市に広がりを見せている事実は、三大都市圏からのトリクルダウン効果に加え、各ブロックでの投資地域の絞り込み現象が共鳴しているような印象を受けます。

今や、どこに住んでもソコソコ快適な暮らしが送れるだろうという期待感は消滅。
就活同様に、住活(?)が求められる時代なのか、数々の優秀なマンションブログも登場し、ネット上での情報戦が活発です。

最近、西友やヨーカ堂がスクラップ&ビルド計画を策定していますが、地域によっては、インフラが衰退し、買い物難民化や、下手をすると地方自治体の破綻という悪夢も懸念されます。
特に高齢者の場合、病院の有無が死活問題です。

スーパー、病院、学校、交通インフラ、外食施設などの将来性を見極めて、蜜に集まる蟻のように、人々はインフラに吸い寄せられ、人が集まるところでだけインフラが更新されます。

こうしたコンパクト化によって、限りあるリソースを共有し、生活レベルを維持向上させようという、成熟(衰退?)国家なりのサバイバル意識が感じられます。

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