シカゴ筋ポジションの確認(10/27時点)
(10月27日) (10月20日) (増減)
カナダドル ▲18895 ▲27112 +8217
スイスフラン 1499 625 +874
ポンド 4134 7537 ▲3403
円 ▲33911 ▲3639 ▲30272
ユーロ ▲105934 ▲62566 ▲43368
NZドル 5589 3759 +1830
豪ドル ▲36352 ▲38412 +2060
10月FOMC声明文が公開されたのは28日夕方なので、その影響は反映されていませんが、円とユーロのショートが大きく増えています。
9月FOMCが肩すかしとなり、一旦ドル買いポジションが縮小したものの、その後の市場の落ち着きで株価が反発。
リスクオン姿勢が復活し、またぞろ、調達通貨の円とユーロの売りで儲けたい、という市場のスケベ心が顕在化してきました。
10月FOMC声明文では、「最近の世界的な経済・金融情勢は経済活動をやや抑制させ、目先のインフレにさらなる下方圧力を与えている可能性がある」が削除。
そして、「次回の会合で(at its next meeting)引き上げることが適切かどうかを決めるに当たって」と、通常は無い「次回会合」が明記。
12月利上げ確率は高まり、金利は上昇、為替はドル高方向への反応です。
但し、米長期金利は一時2.17%まで上昇も、現在は2.14%。
ドル円は、121円40銭台から120円台まで降下と、ドル高の利食いも活発です。
実際に利上げされた時の反応はどうか。
それが分かれば苦労はありませんが、重要なのは利上げペースであり、過去のような連続的な利上げが想定されない以上、金利上昇を背景にしたドルのハイペースな上昇というシナリオは実現しにくいものと考えられます。
また、利上げ開始とドル高の関係は、経験上「Sell the Fact」です。
では、ユーロと円の方から更なる売り材料=追加緩和は出るのか。
ゼロ金利の今、緩和の目的は通貨安誘導ですが、現行のドル円相場に満足しない人間は頭がおかしい訳で、日銀は動く必然性なし。
今月出たアメリカの為替報告書でも、現状はファンダメンタルよりも円安水準であることが示唆されており、日銀は物価がああだこうだと言っていますが、要するに円高になれば緩和する、というだけのこと。
アメリカとしては、自分たちが利上げする分のドル高は許容するものの、欧州と日本がこれ以上意図的な通貨安に動けば不愉快。
ドラギは勝手にやるかもしれませんが、黒田さんはアメリカと険悪になってまで、大義名分の無い緩和はしないでしょう。
アベノミクスは「行き過ぎた円高の是正」であり、その目的は達したので、目先を変えるために、何でも良いから「新3本の矢」が必要でした。
Comments
日銀に対する考え方が変になってしまった原因は、2回目の突然の緩和だと思うのですがどうでしょう。その時は為替も株も堅調だったのに突然だったので、みんな何が判断基準かよくわからなくなってしまっているのでは と思います。総裁の狙いがそこなのかな なんてことはないですよね。
総裁にしつこく2%と聞くマスコミが多いですが、そのくらいで左右されない人だと思うのですが、みんなが忘れた頃にまた突然 なんて疑心暗鬼になってしまっています。
有名なアナリストまで追加緩和ありきで話していたので、正直今回はどうかな と不安に感じていました。アメリカの意図も難しく ヨーロッパは意味不明でよくわかりません。これ以上の無茶はしないでほしいです。
Posted by: 弱気投資家 | November 01, 2015 10:56 AM
2014年秋は、ドル円が105~110円、日経平均16000円と、非常にソリッドな状態。
追加緩和は、ほろ酔いを悪酔いにしたようなものですから、2日酔いでボラも高くなりました。
原油が高止まりして物価2%達成なら、今よりもっと生活実感は悪いでしょう。
物価2%なら、長期金利も普通は2%以上となり、財政破綻に近づきます。
日銀が国債買って金利抑制すれば、リスクは日銀に蓄積され、最後には円がボロボロになって、これも大変。
これ以上の緩和=円安は、輸出企業への補助金のために国民に課税するようなもので、それこそ「痛税感」強化でしょう。
金融政策による景気刺激効果は限界に来ていて、財政は出動できる余裕は無いのですから、地道に非効率な分野を筋肉質にしていくしかないことは明白ですね。
無理やり良くしようとするのは、最悪への道。
そもそも現状は、それほど悪くないのです。
Posted by: akazukin | November 01, 2015 12:48 PM