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November 19, 2015

2020年マンション大崩壊

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「2020年マンション大崩壊 (文春新書)」の著者である牧野氏は、ボスコン、三井不動産、投資法人役員を経て、現在は「空き家問題」を得意とする不動産コンサルタントとして、独自の地位を築きつつあります。

先日の「マネーの羅針盤」出演時には、いわゆる傾斜マンション問題の原因を、青田売りによる工期・工費の過剰な制約と、設計施工一体のため監理体制が脆弱であることに求めていましたが、妥当な分析だったかと思います。

新書の常として、挑戦的なタイトルが付されていますが、内容は決して煽情的なものではなく、ごく真っ当にマンションの現状とリスクを整理したものとなっています。

本書の中で著者は、最終的に価値を維持するのは中核的な駅に至近のマンションだろうと言っているくらいで、特別にマンションに否定的ではなく、むしろ長期的に見た課題と対処法について提言しているといった方が良いかもしれません。

最近の湾岸マンションブームの陰で、見過ごされやすいリスクは何か。
集合住宅の本質的な資産価値とは何か。

高齢化、空き家の増加、建替え困難な法制度等、様々な長期的な課題を抱える中で、我々は日常生活のための住宅購入と資産形成をどうバランスさせて考えたら良いのか。

といった考察が展開されます。

現在、一部都心のマンション市況は、円安による資材高騰、海外マネーの流入、オリンピック誘致の心理効果、相続税対策など、複数要因で多層的に構成されており、やや過熱感が漂うのが実態です。

とはいえ、首都圏で暮らす以上、集合住宅のお世話にならない訳にはいかないのも現実です。

本書は、今話題のエアビー、中国人の購入によるトラブルといったワイドショー的な話題にフォーカスしたものではなく、日本の将来を踏まえて、自分のライフプランニングの中で不動産購入をどう位置づけたら良いのか考えたい、といったタイプの人にお勧めできる内容です。

当然ながら、2020年の湾岸マンション価格がどうなっているのかに関し、具体的な回答は得られません。

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