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November 08, 2015

総合商社の明暗

商社の決算が出揃いましたが、言うまでもなく、資源価格の低迷が直撃。
資源依存割合が、決算の明暗を分けています。

暗かったのは、通期純利益を600億円下方修正し、3000億円とした三菱商事。
第一Q決算では通期予想達成に強気でしたが、一向に反発しない資源市場を見て、さすがに白旗。
「現時点で想定される懸念事項を全て織り込んだ」とし、200億円の減損も含まれているようです。

明るかったのは、伊藤忠。
中間最終利益は40%増の2127億円。
通期予想3300億円を据え置きし、このまま行くなら利益首位です。

中間決算の簡単な纏めです。

201509001_2

伊藤忠は、利益額に比べてキャッシュフロー(CF)が脆弱です。
中間純利益2127億円の内、持分法利益が719億円ありますが、概ねその分がノンキャッシュ額と見合うので、現金化されない投資評価益の割合が多いのではないでしょうか。
有価証券売却など一過性と思われる利益が670億円あるのも、将来の懸念材料です。

三菱商事の持分法利益も910億円ありますが、CFは利益を上回っており、配当等による現金還元が進んでいるものと思われます。

三井物産は、三菱商事より半年早く目標を現実に合わせ、昨年度比で2割落としていますから、今回は想定通りで通期修正無し。
やはり、三井は三菱より風通しが良く、「何とかならないのか」に「なりません」が言いやすいのでしょう。

CFは利益の2倍あり、資産入れ替えのための資産売却に積極的。
社長も思いきって若返りさせ、事実上の構造改革中(?)と理解されます。

他社に見劣りする生活産業分野等をどう伸長させるのか。
医療分野での成功事例はあるものの、屋台骨には役不足。

今は利益競走から距離を置き、中長期の基盤形成のために潤沢なキャッシュをどう使うのか、に専念したいところではないでしょうか。

住友商事は、昨年度の3000億円減損で大きくイメージダウンしたものの、その他は堅調で、CFも潤沢。
但し、ニッケル事業等で更なる減損の可能性が囁かれるなど、資源分野での後退を余儀なくされたことで、何を中心に投資していくのか、成長ストーリーの書き直しを強いられています。

三菱商事としては、利益首位陥落が濃厚ではあるものの、得意の食品分野等をしっかりと固めつつ、少しでも資源価格が反発したり、敵失があれば抜き返せるよう、投資効率を上げていく姿勢。

伊藤忠も、一過性の利益首位に意味は無く、下期から連結対象となる中国中信集団(CITIC)絡みの案件を固めるのが何より重要。
数年後に1位となる野望は隠しませんが、資源偏重でないかわりに中国次第とも見られます。

現在、PERが二桁は商事、物産のみ。
株主資本の厚みも大きく、今のところ、市場の「二強評価」に変化は見られません。

資源ならOK時代が終わり、現場の情報収集力と経営の判断力、そして組織の変化する力が問われそうです。

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