J-REIT指数の確認(2/26時点)
今週(先週?)のJ-REIT指数は、1839→1887と、2.6%の上昇。
マイナス金利サプライズのあった2/1のザラバ高値1886を僅かながら抜き、また一つ「しこり」をクリアしました。
インデックスで見る限り、想定されたメインシナリオを着々と進行中ということになりますが、幾つか懸念も生じています。
一つはスピード違反疑念。
時価総額最大の日本ビルファンド(NBF)を見ると、2/12の安値559千円から今日の682千円まで、僅か2週間で22%の上昇。
この背景は言うまでもなく、国債市場の急騰で、長期金利は史上最低のマイナス0.07%。
10年債の週足チャートです。
J-REIT指数は、このマイナス金利チャートをなぞって動いている「子亀」ですが、本当に親亀は大丈夫なのか。
昨年4月、ドイツ10年債金利が0.1%になった時、ビル・グロスが空前絶後のショート機会だ、といった途端に潮目が変わったことを思い出します。
第二に銘柄格差。
スポンサーの差が出ないように、三井不動産系3リートを比較すると、下図のとおり。
青のNBFが突出し、次がREIT指数のETF(黄色)、商業のフロンティア(赤)、レジのアコモ(緑)、という順。
通常は、時価総額の大きいNBFと指数が重なるのですが、あまりに一極集中が早く、優良REITと言われる2兄弟でさえ追いつけていません。
最近になって急に商業や住宅が不利になったという理由は思い当たらないので、これはアセットクラスの問題と言うよりは、もはや大型のトップ銘柄は債券と同じだ、と考えて取引する人達が多いということでしょう。
経験則では、徐々に出遅れ銘柄にも買いが入って全体が底上げされていくのですが、これから時間をかけてそうなるのか、それとも、債券代替として買われる一部銘柄と、その他銘柄の二極化がニューノーマルなのか、見極めが必要であるように思われます。
好意的に見るなら、J-REIT市場はインデックスほどに中身は過熱していないとも言え、半数が3.6%以上の利回り。
マイナスの長期金利を考慮すれば、一般的な目安とされてきた4%に近いリスクプレミアムが確保されている銘柄も多い状態です。
現在の二極化からは、このまま一直線に国債市場でマイナス金利が拡大し、それに牽引されてJ-REIT全体が上昇していくと考えるのはナイーブ過ぎるのではないか、という個人投資家の慎重姿勢も感じられます。
そもそも既存の国債保有者は大きな含み益を得たのですから、ここで売却して成長分野に投融資するのが合理的選択ですが、成長分野が見当たらないから売らない訳で、更なる「低成長=低インフレへの確信」が金利を下げているという解釈なら、まあ半分賛成しないでもないです。
Comments
上位から下位まで まんべんなく銘柄 保有しているのですが、本当に銘柄間格差 二極化していて、上位銘柄は売ってしまいたいぐらいになってますね。にしても、上位銘柄 手取りの配当利回りだと2%割れそうというのは、リスクに対して利回り低すぎるかな なんて感じで、これ以上は伸びしろ 小さいかなとも思っています。
銘柄間格差があるのは、やっぱりリスクを取れない中で、消去法的にリートが買われているからなのかなと思うのですがどうでしょう。リスク取れる感じになれば銘柄間格差縮小で全体底上げ、リスクダメなら横ばいが良い所かな なんて。
AKAZUKINさんは 売り時のめど なんて 計画していますか?私は 全体が吹き上げる様な事があったら なんておぼろげな感じしか持っていなくて・・・。上位銘柄も 売り時なのかどうなのか さっぱりわかりません。
Posted by: 弱気投資家 | February 28, 2016 05:52 PM
経済的な格差は悪い時ほど広がるのが原則なので、おっしゃるように、全体がリスクオフであるからこそREITの銘柄格差が拡大しているという理解で良いのではないでしょうか。
成長しない今の日本で、地域間格差が一層拡大しているのと一緒ですね。
売り時は基本的にチャート任せです。
自分が売り時が分かる、というのはある意味「偉そう」であり、到底自分には分からないから市場に任せる、という姿勢こそが「謙虚」なのではないか、と思うようになりました。
一方で、「利食い千人力」も真実ですから、投資額がある水準に到達したら相場過熱のサインなので売る、という目安も大まかに設けており、トコトンとホドホドの併用と言った感じでしょうか。
後は、全体の地合い次第で、急に方針が変わったりします。w
Posted by: akazukin | February 28, 2016 07:57 PM