日経平均▲919円(▲5.4%)
昨日、日経平均が17000円を回復したと思ったら、欧州株が崩れ、DOWが178$安。
そしてリスクオフセンチメントが増幅し、日経平均大幅安として帰ってきました。
自分が年初の1月5日にどう書いたのかを確認してみると、「今年のビッグピクチャーは、人民元安、割高な株価の調整、金利低迷、ドル安です」と書いています。
とはいえ、株式とREITはロングで持っているのでダメージは受けており、金と債券ETFが傷を癒やしている状況です。
長期的には1$=100円まで想定すべきと思っていますが、この24時間は、やや無気味な下げ方となっており、多くの人が強い不安を感じていることかと思います。
特に為替に関しては、116~117円辺りで一服するかと思っていたのですが、かなり性急に更なる円高シナリオへ向かっています。
しかも恐いのは、105円~115円に僅か2ヶ月あまりで駆け上がっているので、この逆が起こっても不思議ではないことです。(↓)
もちろん、115円は分かりやすい節目であり、ここで止まって安堵するかもしれませんが、何をしても、市場の大きな流れは止められません。
下のグラフは、ファンダメンタル分析の代表格であるJPモルガンが試算した、ドル円の実質実効レートの差です。
歴史的に見ると、120~125円は完全に円安が行き過ぎで、100円でもラッキーと言えるくらいの水準です。
要するに、いくら円高になろうと説明なんかいくらでも付く、という話です。
株価については、DOWが16027$、日経平均16085円と、概ね数字が揃ってきました。
これまでの、日経平均がDOWを上回る状態(日経20000円>DOW18000$とか)が円高と共に終了し、これからはDOWが日経を上回る(DOW15000$、日経14000円とか)、かつての状態に戻っていくのではないかと思っています。
まあ、全ては為替次第です。
この急激なリスクオフ気分の高まりに関して、ドイツ銀行が危ないからとか、シェール業者の破綻懸念とか、色々言われていますが、根本にあるのは、金融政策の限界が見えれば株価は高すぎる、という一点に尽きます。
その意味では、銀行の株価をハエのように叩き落とした日銀のマイナス金利政策は、投資家の楽観気分を吹っ飛ばす効果だけは十分にあったかもしれません。
そもそもリーマンショックの治療として始まったFRBの量的緩和は、サブプライムバブルに踊った狂乱の中でも14164$が精一杯だったDOWを、18000$台まで持ち上げてしまいました。
2014年10月のバズーカ第二弾は、1$=105~110円、日経平均15000円という美しい均衡を破壊し、円安に依存した2万円を実力だと見間違うような幻影を作り出してしまいました。
従って、下値の目処として、この2014年秋レベルは当然に意識されます。
夢(ヤク?)から覚める時が来た、ということでしょう。
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