冷静になった東京市場
激動のブラック・フライデイから、2日間の冷却期間をおいた東京マーケット。
為替(ドル円)は、102円を挟んで50銭前後の値動きとなり、日経平均は+357円。
さすがに1300円近いマイナスは下げ過ぎ感があり、約4分の1戻して、15300円台となりました。
ドル円103円に見合う日経平均が15500円程度と言われていますから、今日の結果はそれと整合的であり、投資家は冷静な対応をしていると評価されます。
ただし、元気の無かったのは、欧州系銘柄と金融。
ヨーロッパでの売り上げの大きいマツダは、今日も10%の下げと、可哀想になるくらいの売られ方。
メガバンクも、総じて2%程度の下げ。
7月に日銀の追加緩和が濃厚となり、マイナス金利幅が拡大するとの思惑が売りを誘っています。
いわゆる内需、ディフェンシブ系は概ね反発。
REITは二極化。
ホテルリートが▲4%以上に対し、産業ファンドが+3.6%と、珍しく結果が分かれました。
H・I・Sが7%以上買われて金曜の下げを全て取り戻したこと等と合わせて考えると、インバウンドは駄目、アウトバウンドはOKと、風景がガラッと変わりました。
元々、相場テーマとしてのインバウンドは賞味期限切れだったのですが、積極的には買えない→積極的に売りたい、に悪化したようです。
ロンドンの金融関係者の場合、自社の株安、ポンド安、リストラ不安の三重苦ですから、旅行気分を盛り上げるのは難しそうです。(逆にストレス解消で、ヤケクソの豪華日本旅行となるか?)
ドル円相場は、予定の(?)100~105円レンジに入りました。
先週、滅多にないほど大きな円高エネルギーを吐き出した相場はヘトヘト状態で、そう簡単に次の95~100円へ進めるとは思えません。
FRBが更にハト派になることも確実視され、利上げどころか利下げまで織り込みそうな市場の空気では、105円以上のドル高も難しそう。
ポンドは非常に不透明で、まだ下がる余地が十分ありそうですが、その場合のドルは買われる通貨なので、ポンド/円の下げがドル/円に波及する効果は限定的かと思います。
しばらくは、為替も株も小刻みに神経質な動きをしながら、徐々に傷を癒やしていくような展開を予想します。
それにしても、「あっさり残留では面白くないから、できれば1回下げてもらって自分が買ってから..」とか、全くもって呑気な気分でいたにも関わらず、大きな怪我を負わずに済んだことは、感謝するしかありません。
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