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June 08, 2016

コモディティ相場の確認(金)

ゴールドの長期チャートです。
Kinn45

1995年から2005年まで10年保有しても上昇率は10%に過ぎず、完全に金利負け。
投資運用商品としては、超マイナーな存在でした。

金への見方が一変したのはリーマンショック。

誰が「毒饅頭」を持っているか分からないから誰にも資金を貸したくないという恐怖が市場を支配し、気が付けば「誰の債務でもない金」の輝きが何とも眩しいということとなり、一気にスターダムへ。

多くのヘッジファンドが、金を戦略的商品と位置づけ、まるで後方の衛生兵がいきなり戦場の最前線へ送り出されるような事態となりました。

折からの中国の資源爆食、原油暴騰のコモディティブームに乗って、2011年には1900$目前と、2005年の4倍以上。

しかしながら元々は、金利も配当も無いディフェンシブ戦力。
金融危機が癒えて株式や不動産が上昇し、QE3が始まった2012年からは逆に売りが優勢。

2015年末には、当時の産金コストと言われた1200$も下回り、テクニカル的には1000$割れ確実などと言われましたが、総悲観は底のサイン。

2015年12月の1049$を底に反発し、2ヶ月後には2割上がって1200$を回復、現在も1200$台を維持しています。

転機となった2015年12月は、FRBの利上げ実施のタイミングですから、正に「Sell the rumor , Buy the fact」。

「金利が上がるぞー、ドルも上がるぞー、金は更にメッタクソ売られるぞー」が通用したのは利上げまで、でした。

下図はドルインデックスですが、いまだに2015年12月のピークを抜けません。

Dxy2016060563

ドル高と同じく、金利は金にとっての大敵ですが、欧州に続いて日本がマイナス金利となったことも追い風でした。

ドイツの長期金利です。

Ger10586

昨年までは0.5%レベルをどうにか保っていましたが、今年になって一段安となり、今はゼロが一つ増えて0.05%と、受け取る利息は10分の1。
日本の長期金利は昨年後半が0.2~0.3%で、今年2月からはマイナス化しています。

結局のところ、FRBの利上げを通過してみれば、ドル高という敵も金利という敵も退散し、逃げ場が無いと思われた逆境から脱出しました。

ここ数年の週足です。

Goldldn584

1000$から1200$台に反発したものの、1300$手前では跳ね返されており、強い上昇トレンドとまでは言えない様子です。

アメリカがQE再開とでもいった大きな金融政策の転換となれば別ですが、FRBはまだ利上げに意欲を見せていますし、日欧のマイナス金利という材料も既に消化しているので、買い増すとすれば1$=100円くらいの局面を待ちたい気がします。

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