コモディティ相場の確認(金)
折からの中国の資源爆食、原油暴騰のコモディティブームに乗って、2011年には1900$目前と、2005年の4倍以上。
しかしながら元々は、金利も配当も無いディフェンシブ戦力。
金融危機が癒えて株式や不動産が上昇し、QE3が始まった2012年からは逆に売りが優勢。
2015年末には、当時の産金コストと言われた1200$も下回り、テクニカル的には1000$割れ確実などと言われましたが、総悲観は底のサイン。
2015年12月の1049$を底に反発し、2ヶ月後には2割上がって1200$を回復、現在も1200$台を維持しています。
転機となった2015年12月は、FRBの利上げ実施のタイミングですから、正に「Sell the rumor , Buy the fact」。
「金利が上がるぞー、ドルも上がるぞー、金は更にメッタクソ売られるぞー」が通用したのは利上げまで、でした。
下図はドルインデックスですが、いまだに2015年12月のピークを抜けません。
ドル高と同じく、金利は金にとっての大敵ですが、欧州に続いて日本がマイナス金利となったことも追い風でした。
ドイツの長期金利です。
昨年までは0.5%レベルをどうにか保っていましたが、今年になって一段安となり、今はゼロが一つ増えて0.05%と、受け取る利息は10分の1。
日本の長期金利は昨年後半が0.2~0.3%で、今年2月からはマイナス化しています。
結局のところ、FRBの利上げを通過してみれば、ドル高という敵も金利という敵も退散し、逃げ場が無いと思われた逆境から脱出しました。
ここ数年の週足です。
1000$から1200$台に反発したものの、1300$手前では跳ね返されており、強い上昇トレンドとまでは言えない様子です。
アメリカがQE再開とでもいった大きな金融政策の転換となれば別ですが、FRBはまだ利上げに意欲を見せていますし、日欧のマイナス金利という材料も既に消化しているので、買い増すとすれば1$=100円くらいの局面を待ちたい気がします。
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