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June 25, 2016

Brexitが現実となった日(1)

『賢明なるイギリス人は、最終的にはEU残留を選ぶに違いない』

そうした見通し(期待?)で、今週の市場は反発していましたし、私もそう思っていました。

昨日6月24日は朝5時に起きて、5時半にはセントラル短資のセミナー画面にログイン。

安堵ムードの背中を押したのは、日本時間AM6時、英国の投票締切り直後に出た「YouGov」の調査結果で、52:48で残留派勝利の予想でした。

「YouGov」は、2014年スコットランド住民投票において、ほぼ正確な見通しを出した実績があり、午後10時のロンドンのディーリングルームでは、徹夜覚悟のスタッフから、あっさり残留じゃあ腕の見せ所もないね、との軽口さえ聞かれました。(←勝手な想像)

この安心気分を受け、これまで頭の重かったドル円相場も、日本時間朝8時頃には104円台から106円台まで上昇。

世界で最も早く結果を受けとめる東京株式市場では、早朝から出勤した関係者の間にホッとした空気が流れました。

8時半頃から、次々と開票結果が流れてきますが、予想通りの接戦。
離脱派優勢地域の票が先に開くという情報があり、時間の経過とともに残留派が追い付いて逆転するだろうとの見込みで、市場に慌てた様子は見られません。

皆がモニターとBBCを交互に見守る中、日経平均は、前日比95円高で寄りつきました。

開票開始後2時間が経っても、抜きつ抜かれつの展開。
離脱派は優勢地域で大きく勝ち、残留派の票は伸び悩みが次第に顕著となっていきます。

いつ予定の逆転があるのかと、次第にイライラが募る中、11時になっても票は拮抗。
「オイオイ、本当に大丈夫なのか、これ」

そして前場もあと20分で終わろうとする時間帯、離脱派のリードが10万票の大台に到達するや、みるみる間にリードが30万票となり、皆の顔色が変わります。

「もはや逆転は不可能」
朝方の安心感は吹っ飛び、相場は雪崩を打ったように崩壊。
昼過ぎにはマージンコールによる強制決済とストップロスの嵐となり、気がつけばドル円が「99」をカウント。

唖然と見つめる間に、数字は「101」と乱高下。
あまりのボラティリティに多くの投資家が手控えざるを得ず、流動性が枯渇する中で、数字だけが高速でぶっ飛びました。

ポンドドルのチャートです。

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朝の1.50から昼の1.32まで12%の下落。

ポンド円は、160円→133円→143円と推移。
上と下の差は17%もあります。

「もしもの事があれば、ポンドは20%売られる。」
あの陰鬱な男の顔が頭に浮かびます。

ドル円です。

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106円→99円→103円。

以前から、年内の円高目処は100~102円と思っていましたが、早くも達成してしまいました。

ドルインデックスです。

Dxy562

これだけ、ポンドとユーロからドル高圧力をかけられても、200日MAの下にあり、トレンドはドル安です。

市場の混乱、不確実性が増したことで、FRBの利上げ確率は更に低くなりました。

CMEの金利先物市場では、12月が0.355%と、現状とほぼ変わらない数字まで低下。
なんでこんなに低いのかと思って内訳を見ると、利上げどころか「利下げ」予想まで現れて、数値を押し下げています。(案外、利下げが当たっているのかも)

まあ、依然として緩和頼みの市場にとっては、小さな好材料と言えるのかもしれません。

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