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July 19, 2016

ソフトバンクが買収したARM社の割高度

買収金額は243億ポンド。
ソフトバンクの資料では、1ポンド=136.38円で換算してあるので、少し前から相当額のポンドを買っていたという巷の噂どおりなんでしょう。
日本円では、3.3兆円。

スプリントが、216億ドル(当時のレートで1.8兆円)ですから、倍近い投資額になります。

ARMは自分で生産設備を持たない上、有利子負債もないので、原価償却費も支払利息も無く、P/Lはシンプル。

現在の1ポンド=140円で、2015/12決算を換算すると、

売上    1360億円
営業利益 580億円
当期利益 480億円

EBITDA=営業利益と考えて良いでしょうから、EV/EBITDAは57倍と、一般的に割安とされる7倍程度の8倍です。

PERでは68倍。

メチャクチャ高いように見えますが、今回のプレミアムは42%ですから、既にこの7掛け(100÷142)程度の評価は市場で付いていたことになり、要はPER50倍を70倍で買っただけのこと(?)です。

営業利益の伸び率は、直近3年間で、21%、24%、28%。

仮に、毎年20%でEPSが伸びるとすると、10年後には6倍になるので、そうすると68倍も高くはないということになりそうです。

同社の「バージョン8アーキテクチャー」はいま世界で出荷されている最新鋭のスマホの60%に採用されているとされ、自動車やIoTなどに埋め込まれたセンサーに連動するプロセッサーにおけるシェアは25%とのこと。

シナジーは私には計算不能ですが、孫さんには計り知れないと見えたのでしょう。

それにしても、地中海で休暇中の先方CEOとトルコで会ったのが2週間前で、それから価格交渉、デューディリ、ファイナンス計画、プレゼン資料作成、英大蔵大臣への挨拶、ティム・クックへの打診まで一気にやってのけるスピードは流石と言わざるを得ません。

ポンド安を株高が相殺するので、Brexitによって安く買えた訳ではないと説明していますが、通常時であれば、日本が英国の優良企業を買うことに強い拒否反応が発生したはずで、このタイミングだからこそ「イギリスへの投資を歓迎する」という政治家のコメントを引き出せたとも言えます。

機関投資家はソフトバンクを買いにくいと言いますが、この10年、結局は変わり映えしない日経平均に対して、彼は会社価値を3倍にしたというのが客観的な事実です。

998456231

なお、孫さんの英語スピーチ(↓)は、格別流ちょうではないものの、難しい単語は使わずに十分にコミュニケーション出来るという意味で、参考になります。

http://www.softbank.jp/corp/d/sbg_press/

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