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November 12, 2016

トランプ勝利、その時マーケットは(2)

事前の「もしトラ」予想としては、瞬間的なリスクオフから緩やかな戻り基調だろうでしたが、実際のドル円です。

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ショックで一気の100円割れも、との声もありましたが、101円20銭が底で急反発。
104円以下だったのは、たったの半日程度であり、選挙前の「ヒラリーならドル買い、トランプならドル売り」から一変し、ドル買いが正解となりました。

ドルインデックスです。

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長い下髭が出来てドル上昇ですが、「100」がリミットとして意識されていることは変わっていないと思われます。
トランプ政権は、ドル高を容認する政権とは見られていません。

ドル高を演出したのが、急激な金利上昇であることは間違いなさそうです。
米国10年金利はジャンプ。

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債券市場の反応は予想外であっただけに激しく、節目の2%は軽く突破し、今年初めの水準まで上昇しました。
今年の初めというのは、ドル円120円ですから、これは相当の衝撃です。

トランプ勝利→リスクオフ→金利低下を考えていた人は、大きく裏切られる結果となりました。

何しろ具体的なことは一切決まっていないので、どこが均衡する金利水準なのか見当が付きませんが、短期的なヒステリー反応は、そろそろ収束するものと見られます。

トランプ勝利を予想したガンドラックは、「足元の債券市場の利回り上昇局面は80%は終了し、米10年債利回りが年末までに2.35%の水準を上抜けることはない」との見方を示しています。

債券が売られて株に資金が移動したため、NYダウは選挙後に約3%の上昇。
FedWatchの利上げ確率は、81.1%まで上昇しています。

個別株の動向ですが、長期金利の上昇で恩恵を受ける一番手は銀行。
金融ど真ん中のJPモルガン。

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3日間で、9.5%も上がりました。

軍需銘柄のロッキード(LMT)。
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こちらは、3日間で+8.4%。
日本の防衛負担が増えるだろうとの思惑で、日本の軍事関係銘柄も基本買われています。

売られた方ですが、まずは金鉱株。
比較的保守的な経営で知られるゴールドコープ。

Ggj52365

9日の取引では一旦買われたものの、その後の2日で大きく下落。
3日間で▲11%。

ドル高、金利高はコモディティに逆風ですが、銅は産業需要もあるので上がりました。
フリーポート・マクモラン。

Fcxlo589
3日で+15%と沸騰です。

配当利回り期待の強い公益銘柄は多くが売られました。
電力のネクストラエナジー。

Neerd564
3日間で▲10%。

金利上昇による相対的な利回り魅力の低下に加え、トランプ氏が温暖化対策に消極的と見られることも、再生エネルギー比率の高い同社にはネガティブに働いたようです。

いわゆるモメンタム銘柄も売られました。
ネットフリックス。

Nflxh56

3日間で▲8%。
金利上昇に弱いと言うよりは、オールド系銘柄への回帰トレンドのため、ミニITバブル的なセクターは弱気に振れたようです。

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