トランプ勝利、その時マーケットは(2)
ドル高を演出したのが、急激な金利上昇であることは間違いなさそうです。
米国10年金利はジャンプ。
債券市場の反応は予想外であっただけに激しく、節目の2%は軽く突破し、今年初めの水準まで上昇しました。
今年の初めというのは、ドル円120円ですから、これは相当の衝撃です。
トランプ勝利→リスクオフ→金利低下を考えていた人は、大きく裏切られる結果となりました。
何しろ具体的なことは一切決まっていないので、どこが均衡する金利水準なのか見当が付きませんが、短期的なヒステリー反応は、そろそろ収束するものと見られます。
トランプ勝利を予想したガンドラックは、「足元の債券市場の利回り上昇局面は80%は終了し、米10年債利回りが年末までに2.35%の水準を上抜けることはない」との見方を示しています。
債券が売られて株に資金が移動したため、NYダウは選挙後に約3%の上昇。
FedWatchの利上げ確率は、81.1%まで上昇しています。
個別株の動向ですが、長期金利の上昇で恩恵を受ける一番手は銀行。
金融ど真ん中のJPモルガン。
軍需銘柄のロッキード(LMT)。
こちらは、3日間で+8.4%。
日本の防衛負担が増えるだろうとの思惑で、日本の軍事関係銘柄も基本買われています。
売られた方ですが、まずは金鉱株。
比較的保守的な経営で知られるゴールドコープ。
9日の取引では一旦買われたものの、その後の2日で大きく下落。
3日間で▲11%。
ドル高、金利高はコモディティに逆風ですが、銅は産業需要もあるので上がりました。
フリーポート・マクモラン。
配当利回り期待の強い公益銘柄は多くが売られました。
電力のネクストラエナジー。
金利上昇による相対的な利回り魅力の低下に加え、トランプ氏が温暖化対策に消極的と見られることも、再生エネルギー比率の高い同社にはネガティブに働いたようです。
いわゆるモメンタム銘柄も売られました。
ネットフリックス。
3日間で▲8%。
金利上昇に弱いと言うよりは、オールド系銘柄への回帰トレンドのため、ミニITバブル的なセクターは弱気に振れたようです。
Comments