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January 04, 2017

どうなる2017年

何といっても、ドルがどうなるかが焦点です。

過去20年の、ドル実効為替レ-ト。
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リーマンショックが落ち着いた2011年から上昇が始まり、既にドル上昇期の終盤にも見えますが、これでトレード出来るような材料ではありません。

基本的に通貨安なら株高。
日本だけではなく、BREXIT後の英国株が2割ほど上がったのが典型ですが、トランプラリーでは、「金利上昇=株価上昇=ドル高」が共存する珍現象(?)が発生しました。

ドルは米長期金利を追いかけるように買われましたが、では金利を押し上げた要因は何だったのか。

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この分析(出典:三井住友銀行)によると、金利上昇の殆どは期待インフレ率の上昇であり、実質金利要因は僅か。
市場が考えるアメリカの実質経済成長率は0.5%程度であり、残りの2%はインフレ期待です。

従って、相場が織り込もうとしているのは、トランプの政策でGREAT(高成長)なアメリカが戻るというよりは、低成長下でのインフレということになりそうです。

昨日、米フォードがメキシコ工場建設を中止すると発表しましたが、これはフォードという企業にとっては非効率の選択で、アメリカの消費者が高いものを買わされることを意味しますから、正に経済成長を伴わないインフレが進む典型例です。

インフレでも企業業績が期待ほど伸びないとなれば、株式市場が最も脆弱な気がしますが、株価が下がれば、為替を動かしてドル安にしたいという誘惑が生まれます。
金利高でもドル安なら、株は何とか持ち堪えるかもしれません。

もし期待ほどインフレにならない場合は、「金利低下→ドル安→株安」と相場は今の逆回転をするでしょうが、金利低下とドル安が株価の下支えにはなりそうです。

なお昨年11月以降、減税期待によって米国株を売ることを止めた人が多かったので米国株は上がったという一面がありますが、今年は減税確定なら喜んで売り、減税延期なら失望売りと、どちらにしても持ち越された売り需要の顕在化が想定されます。

DOWのチャートです。

Dowjk63

2015年前半までは、直線的に順調です。

その後、夏には人民元切り下げショックがあり、2016年1月には新興国不安が広がるなど、周期的に何回かの調整が起こるようになり、いわゆる「相場転換の前兆となる高値圏での乱高下」が懸念される状態でした。

そもそもリーマンショック以来、7年も上昇が続けば調整は当然ですから、トランプラリー効果が消えてくれば、下げ相場への誘惑が優勢になりそうに感じられます。

グラフは、CFTCのNYダウポジションですが、買い持ちが歴史的な水準にまで多くなっているので、注意すべき状況かと思います。

Cftcnydow45po

1年を通してドルがどうなるのかは非常に見通しにくいのですが、これは人民元安を容認しようとしている中国と、それを為替操作とみるトランプがガチでぶつかり合う可能性があるからです。

トランプの主要人事は、富豪、軍人、反中ですが、米中が本気でぶつかり合うのは双方不利益なので、どこかでは手打ちになると思います。

一番ありそうなシナリオは痛み分けで、ドルも人民元も下がり、その他の通貨が割を食うというストーリーかと思います。

帝国同士の喧嘩で犠牲になるのは、常に周辺の小国です。

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