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January 29, 2017

それでもビットコインは成長するのか

新年早々、ビットコインは波乱の幕開けとなり、暴騰→暴落で、結局はチャラ。
現在は900$近辺です。

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近くに25日移動平均線があります。

長期的に見れば、2016年に450→900$と2倍になり、その水準が維持されているということになります。

人民元/ドルは、2015年が▲5.4%、2016年が▲5.5%。
さすがに計画性の高い中国、見事に着地(?)させていますが、ビットコイン相場が大きく動いたのは2016年です。

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上記でみるように、ビットコインと人民元の相関は強く、今回の暴騰暴落劇は相場の先走りによるものですし、800$辺りが下支えしていることも説明されます。

今のところは、人民元が下がらない限りビットコインは大きく上がらない、と考えるのが現実的と思われます。

本来ビットコインの上昇は、仮想通貨への信認や使い勝手の向上によってもたらされるのが本筋でしょうが、実際の需要増加は緩やかであり、人民元からの避難と投機的な参加者による短期的な歪みがチャートを作っているようです。

ビットコインの大きな課題は二つ。

一つは技術的な問題で、一般的にはスケーラビリティ(scalability)問題と呼ばれています。

ビットコインを支えるブロックチェーンというシステムは、過去の取引を全て記録することで現在の取引の正当性を担保するというものですが、その記録を積み上げていく「ブロック」のサイズが小さいため、現状のままでは決済の遅延やコストの増加など重大な問題が発生すると懸念されています。

では、ブロックサイズを大きくするとか、一部を別に格納してスペースを空けるとか、対応を決めれば良いだろうという話ですが、そこは管理者の存在しない仮想通貨の弱点。
現在有力とされる「segwit」という解決方法に対する賛同者は27%程度と伝えられており、必要とされる95%に大きく足りません。

「Segwit」の考え方は、

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署名部分は圧縮して別枠で保存すれば半分くらいスペースが空くよ、ということですが、より抜本的な対策を求める声もあり、十分な支持を集めることは出来ていません。

関係者の意思統一には、更なるビットコインの価格暴落など、危機感を高めるようなネガティブイベントが必要だという意見にも説得力があり、システム問題は価格下落を招く大きな要因となります。

もう一つの課題は、中国集中リスクです。

ビットコインを産みだし、システムを維持していく「マイナー」が中国に集中しすぎています。

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Antpool、F2pool、BTCCPool、BW.COMは中国系です。

膨大なコンピューターが必要になったビットコインは、電気代が安い場所、かつ寒冷地に設置することが有利です。

そもそも分散統治型のコンセプトであるビットコインでは、参加者も分散していることが理想ですが、昨年6月に、スウェーデンを本拠とするマイナー「KnCMiner社」が破たん。
むしろ、生き残りは厳しくなっています。

ビットコインは無国籍であり、様々な国家的なリスクから逃避できるという思惑から、キプロスの金融危機の際にもクローズアップされましたが、物理的には中国国内のコンピューターで維持され、中国当局の管理下にあるとすれば、無国籍どころか一番法的に不安定な場所に集中していると言う見方もあり、こうした状況をもってビットコインは既に失敗だ、という見解もあります。

<参考:「ビットコインはもうだめです」元コア開発者のマイク・ハーン氏が語る

皮肉なことに、このニュースの直後からビットコインの上昇が本格化しました。

中国人に取ってみれば、一生懸命人民元から逃避しているつもりでも、実は誰かの手の平の上で逃げ回っているに過ぎないのではないか、という懸念が具体化したのが、中国人民銀行によるビットコイン取引所の検査です。

<参考:中国のビットコイン取引所、一部サービスの停止や変更へ

投機的にビットコインを買っていた中国人はパニックを起こしてビットコインを処分しましたが、その際の最安値は760$。

中国リスクが炸裂しても760$だから、ここは絶対に堅いラインと見るか、本当の中国リスクはこれからだと考えるべきなのか。

そもそも中国当局は、人民元の逃避先となっているビットコインをどうするつもりなのか。

こんな邪魔なものは潰してしまえ、いや豚は太らせてから食えというではないか、いやいや次世代仮想通貨の主導権を握るチャンスだから、ここは生かさず殺さずが良いのでは。

簡単には決まらないでしょうから当面は生かさず殺さずでしょうが、中国当局がビットコインを体制への挑戦と見なせば、中国国内マイナーを機能不全とすることは簡単です。

理想的な展開は、システム問題が解決され、マイナーの中国集中問題が新マイナーの出現で解消され、世界中で使用できる店舗が増えて認知度が上がり、というシナリオですが、ここ数年の推移を見れば、どれも満足できる進捗とは感じられません。

逆に言うと、だからこそ「懐疑」の中で成長しているのであり、全て心配がなければとっくの昔に高騰して投資チャンスは失われているはず、という見方も出来ます。

他の仮想通貨に追い抜かれてビットコインが消えてしまう可能性も捨てきれないところですが、2位のイーサリアムとの時価総額の差は15倍もあり、今のところ仮想通貨の一番手がビットコインであるという評価自体は固いようです。

<仮想通貨時価総額ベスト10>(1月13日時点)
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総額1兆円以上にまで育てた「通貨」をこのまま死なせてしまうのは余りに勿体ないので、何かしらの合意が出来るに違いないという期待があることが、中国リスクの一部顕在化にも関わらず、900$という高めの金額で今も取引されている背景かと思います。

10年後の1ビットコインは、ゼロか1万$かのどちらか。
ですかね。

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