シカゴ筋ポジションの確認(4/25時点)
(4月25日) (4月18日) (増減)
カナダドル ▲42642 ▲33252 ▲9390
スイスフラン▲17317 ▲13802 ▲3515
ポンド ▲91182 ▲99490 +8308
円 ▲26869 ▲30463 +3594
ユーロ ▲20895 ▲21649 +754
NZドル ▲15404 ▲15006 ▲398
豪ドル 42702 43262 ▲560
増減はマチマチで、ドルの強弱に明確な方向性は見出しにくい状況が続いていますが、実際の相場ではポンドの上昇が目立ちます。
ポンドドル(↓)を見ると、ポンドが大きく反転し始めたのは4月18日で、メイ首相が総選挙を前倒しすることを発表した日です。
なぜ選挙をするとポンドが強くなるのか、という理屈は何とでもつけられるでしょうが、ともかくポンドのショートポジションはまだまだ大量に残っているので、ポンド買い予備軍はいっぱいいる、という状況です。
もはやポンドの上昇はトレンドを形成したという見方も出来そうですが、何しろポンドの暴れっぷりは有名で、非常に儲けにくい通貨ですので、仮にトレンドが出ているとは言え、FXで取り組むには相当の慎重さが求められます。
個人的にもポンドに良い思い出はありません。
米国債10年金利。
現在は2.28%と、節目の2.3%を切りました。
米国債10年金利が2.3%の場合で、住宅ローン金利(30年固定)は、概ね4%近辺になりますので、今の状況で、4%を超えるローン金利は住宅市場にネガティブだという観測が金利の歯止めになっているのではないかと思います。
ちなみに自動車販売には既に金利上昇の悪影響が現れているものと見られ、1月の自動車サブプライムローンの貸倒れ率は9.1%と、2010年以降で最悪。
米1-3月期GDPは、自動車販売の減速等により、年率+2.1%→+0.7%とブレーキがかかりました。
CMEの金利先物市場では、12月末の金利が1.24%で取引されており、年内2回利上げ出来る派と、出来ない派の比率は、ほぼ半々の状況です。
なおFRBは現在、短期金利を0.91%に誘導していますので、1.24%は0.33%高い水準。
1回利上げ(+0.25%)は出来るだろうが、2回利上げ(+0.50%)はどうかねえ、ということになっています。
トランプ大統領の目玉政策であった「メキシコとの壁建設や驚愕の大減税」は予算の壁に阻まれており、そう簡単に実現しそうにはありません。
市場はトランプ相場への期待度を大きく調整しており、更にはトランプ政権の本音はドル安だろうという読みで、ドルの上昇は難しい状況になり、前述のように、売り残の多いポンドの反転が起こりやすい状況では無いかと思われます。
なお、ドルが上がりにくい以上、ドル円上昇は見込みにくいとなりますが、もし「ドルは弱い、更に円は弱い」となれば、これは典型的なリスクオン(ミニバブル?)現象です。
VIX指数(下図)を見ると、東アジアの地政学リスクや欧州政治リスクなどが叫ばれつつも、投資家は全く動じていないと見られるので、ドル円相場が完全にトランプ前に戻る前に、もう少し危機感の薄い相場が続く可能性もありそうです。
アメリカ経済はピークアウトが懸念されるものの、欧州経済や新興国経済に反転の状況が指摘されるなど、成長の牽引役が、アメリカから欧州や新興国へと上手くバトンタッチされるのではという見通しも聞こえてきます。
インド株(↓)指数は史上最高値ですし、キャタピラの決算も久々のクリーンヒットであり、新興国関連での明るいファクトも見られます。
ドルの上がりにくさ、欧州や新興国・資源関連の底打ち感などを考慮すると、これまで米国株しか見ていなかった投資家が、少し他国(他通貨)の資産にも目を向けてきそうな感じも出ています。
私は、米国資産を少し減らして、NY上場の英国株ADRを少し増やしています。
英国株の良いところは、一般的に配当利回りが高いことと、外国税源泉がないことです。
株や為替以外で4月に目を惹いたのは仮想通貨です。
ビットコイン(BTC)。
4月の上昇率は、22%。
どうやら、1300$時代に入りました。
調整を繰り返しながらも長期的な上昇トレンドを維持しています。
イーサリウム(ETH)。
4月の上昇率は40%。
今年の初めに10$だったものが70$となり、ビットコインの時価総額2兆4千億円に対してイーサリウムは7000億円と、3分の1の規模に迫っています。
ビットコインの分裂可能性は消えておらず、既にハードフォークを経験済みのイーサリウムには避難需要が発生しやすいことと、米SECが姿勢を転換し、BTCもETHもETFの組成・上場を認めるのではないかという観測記事が出ていることなどが、上昇の材料となっているように思われます。
[参考]Bitcoin ETF Reconsidered by SEC, Ethereum ETF Version May Be Approved.
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